2020年9月18日号 Vol.382

地球の自然がテーマ
「フリーズ・スカルプチャー・アット・ロックフェラーセンター」


①タデウス・モスリーの彫刻3つ(左から)「Illusory Progression」「True to Myth」 「Rhizogenic Rhythms」Photo by KC of Yomitime

ロンドン発のアートフェア「フリーズ・ニューヨーク」と、不動産投資会社「ティッシュマン・スパイヤー」が共催する彫刻展「フリーズ・スカルプチャー・アット・ロックフェラーセンター」が、ロックフェラーセンターで9月1日(火)から始まり、10月2日(金)まで開催中。同会場での開催は昨年に引き続いて2度目で、今回は10人のアート作品が展示されている。

5月にランドールズ・アイランドで開催予定だった「フリーズ・ニューヨーク」は、コロナ禍により中止。フェアに先駆けて4月22日の「アースデー」から始まる予定だった「フリーズ・スカルプチャー・アット・ロックフェラーセンター」も延期されていた。

今回の展示作品は今年50周年を迎えたアースデーにちなみ、地球の自然や岩、植物などをテーマとしている。

5番街入り口に設置されたのは、タデウス・モスリーの3つの彫刻「Illusory Progression」「True to Myth」「Rhizogenic Rhythms」=写真①=だ。廃棄された木材を組み合わせた像で「宇宙の重さ」を表現する。本展にあわせて制作された新作。

5番街からスケートリンクへ向かう遊歩道「チャネル・ガーデンズ」にあるのは、カミーユ・アンローの「Inside Job」=写真②=。サメの背びれと鳥のくちばしを連想させるブロンズ像は、同時進行する「脅威と愛情」がテーマ。


②カミーユ・アンローの「Inside Job」Photo by KC of Yomitime

ロックフェラーセンターの中心、半地下のプラザをグルリと囲む旗は、アンディー・ゴールズワージーの「Red Flags」=写真③=。アメリカ国内50州から集めた赤土で、それぞれの旗を着色したもの。独立した旗が風で連続性のある流れとなり、結びつく可能性を暗示。分断ではなく、繋がりについて語る。


③アンディー・ゴールズワージーの「Red Flags」 Photo by Diane Bondareff/AP Images for Tishman Speyer

コムキャスト・ビルディング(GEビル)正面にあるのは、初のフリーズLIFEWTR彫刻賞の受賞者、ビアトリス・コルテスの「Glacial Erratic」=写真④=。スチール・フレームとメタルシートで制作された作品は、ニューヨークで見かける岩石をイメージ。太陽や雨、人の往来など、さまざまな外的要因によって変化することで、その「時間」を記憶、古代から続く地球の「本質」を可視化する。
全作品詳細は、ウェブサイトで。


④ビアトリス・コルテスの「Glacial Erratic」Photo by KC of Yomitime

Frieze Sculpture
at Rockefeller Center
■10月2日(金)まで
■会場: Rockefeller Center
 Bet. 49th and 50th Sts. and 5th and 6th Aves.
■無料 
www.frieze.com



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