2018年9月21日号 Vol.334

オープニング・ガラは
サンフランシスコ交響楽団
カーネギーホールの新シーズン

サンフランシスコ交響楽団
San Francisco Symphony ©Jennifer Taylor

サンフランシスコ交響楽団
Michael Tilson Thomas ©Jennifer Taylor

サンフランシスコ交響楽団
Irog Stravinsky

サンフランシスコ交響楽団
(l to r)Audra McDonald ©Allison Michael Orenstein, Leonidas Kavakos © Marco Borggreve, Renée Fleming ©Andrew Eccles


秋も本番に入りつつある10月、ニューヨークの音楽ファンが待ち受けていた、カーネギーホールのニューシーズンが開幕する。

毎年、超一流のアーティストたちが出演し、ゴージャスなコンサートとなるオープニング・ガラ(3日)。今年はサンフランシスコ交響楽団が登場する。
このオーケストラは、音楽的実力、パフォーマンスレベルが世界的にもトップクラスであることはもちろん、地元カリフォルニアのベイエリア地区における教育活動や音楽啓蒙プログラムなど、いわゆる「リーチアウト」活動に大変な力を注いでいる。さらに同楽団でのボランティア活動も盛んに行われているなど、まさに地元に愛され、根付いているオーケストラ。それらの活動が功を奏し、アメリカの非営利音楽演奏団体としては例外的とも言える安定した経営を続けている。
日本の音楽ファンにとっては、あの小澤征爾が1970年代に音楽監督を務め、好評を博していたことでも知られる。ちなみに当時は、小沢自身もこの楽団との活動をとても気に入っており、近くに自宅を購入したほど。
さて、気になるプログラムは、ガーシュインの「キューバ序曲」と「パリのアメリカ人」、リストの「メフィストワルツ第一番」と、ガラ・コンサートらしい華やかな演目。他にも、ガーシュイン、リチャード・ロジャース、ヴィラ=ロボス、スティーヴン・ソンドハイムらが作曲した歌曲の数々が披露される予定だ。
ゲスト・アーティストとして、アメリカが世界に誇るソプラノ歌手、ルネ・フレミングと、ブロードウェイの超人気歌手・俳優、オードラ・マクドナルドの、二人のヴォーカル・スーパースターが出演する。
指揮はもちろん、1995年から同楽団の音楽監督を長きにわたって務めているマイケル・ティルソン=トーマスが受け持つ。ニューシーズンのオープニングにふさわしい、華やかなコンサートになることは間違いなし。

サンフランシスコ交響楽団とマイケル・ティルソン=トーマスは、翌日4日に「オール・ストラヴィンスキー」プログラムでのコンサートを行う。「ペトルーシュカ(1947年版)」、バイオリン協奏曲(ソリストはギリシャ出身のレオニダス・カヴァコス)、そしておそらくストラヴィンスキーの作品の中では最も有名な「春の祭典」。ティルソン=トーマスが得意中の得意としているストラヴィンスキー。ガラ・コンサートに負けるとも劣らない、煌びやかな一晩になりそうだ。なお、このコンサートは同日7時から、コンサートのチケットホルダーを対象としたプレコンサート・トークも行われる。
サンフランシスコ交響楽団によるニューシーズン・オープニング。ぜひ足を運んでみたい。(木川貴幸)

Carnegie Hall's Opening Night Gala:
San Francisco Symphony
■10月3日(水)7:00pm
■$57〜


San Francisco Symphony
■10月4日(木)8:00pm
■$19〜


■会場:Carnegie Hall
 Stern Auditorium / Perelman Stage
 881 Seventh Ave
■212-247-7800
www.carnegiehall.org


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