2020年10月2日号 Vol.383

野外ポップアップ写真展
世界的な問題にフォーカス
「フォトビル」


ブルックリン・ブリッジ・パークPier 3 (Photo by Jessica Bal

今年で9回目となる野外ポップアップ写真展「フォトビル(Photoville)」が、9月17日(木)から始まり11月29日(日)まで開催されている。昨年まではブルックリン・ブリッジ・パークを拠点に行われていたが、今回は展示場所をNY市内5区全域へと広げ、期間もこれまでの2週間から2ヵ月以上に拡大。アメリカ国内外で活躍するアーティストおよそ300人の作品を市内おもな展示場所25ヵ所で展開。写真を通し、世界各地の問題をフォーカスする。

NYを拠点に活動するエリアス・ウイリアムズの「パンデミック・クラス2020」(=表紙写真=展示場所⑨」は、今春の卒業生を捉えた作品。コロナ禍で卒業式は延期やキャンセル、オンライン開催などに変更。大きく様変わりしてしまった「人生の記念日」を、彼らの体験を通して見つめる。


タイムズ・スクエア(Photo by Seth Bloom)

トランプ大統領がCOVID-19を「チャイナ・ウイルス」と呼んだことで、アジア人に対する人種差別が拡大。サカグチ・ハルカの「人種とパンデミックの最中におけるアジア系アメリカ人」(=写真右=展示場所①)は、実際に差別にあったアジア系アメリカ人を取材。差別を受けた場所を背景にしたポートレートを並べ、その現状を伝える。


Haruka Sakaguchi, Asian Americans on Race and The Pandemic @Brooklyn Bridge Park (Photo by Jessica Bal)

厳しい環境で知られるライカーズ刑務所があるライカーズ島。サルバドール・エスピノーザの作品は、島へ渡る唯一の公共交通機関「Q100」バスを利用する人々を捉えたシリーズ(=写真中央=展示場所⑭)。それぞれの写真には説明が添えられ、「愛する家族に会うための旅」を記録している。


Salvador Espinoza, Q100 @Astoria Park (Photo by KC of Yomitime)

オランダの写真家、ヤスパー・ドゥーストは、カリブ海のキュラソー島で人間と暮らすフラミンゴのボブを撮影(=写真左=展示場所②)。2016年、ホテルの窓ガラスにぶつかり怪我をしたフラミンゴを、ドゥーストのいとこの獣医が「ボブ」と名付けて保護。以来、環境保護のアイコンとして地元で愛される「ボブ」を被写体に、プラスチック汚染、サンゴ礁劣化、住処を追われる野生動物の現状を伝えている。


Jasper Doest, Flamingo Bob (Presented By: National Geographic)

10月4日までは、オンラインイベントも開催。詳細はウェブサイトで。

Photoville
■11月29日(日)まで
https://photoville.nyc
■おもな展示場所:
★ブルックリン
①Brooklyn Bridge Park
②Washington St., DUMBO
③Old Fulton Rd.,DUMBO
★マンハッタン
④MLK Jr. Park
⑤Abrons Art Center
⑥JOBS PLUS
⑦Boys & Girls Republic
⑧Chelsea Park
⑨Times Square
⑩St. Nicholas Park, Harlem
⑪Jackie Robinson Park, Harlem
★ブロンクス
⑫Van Cortlandt Park
⑬Soundview Park
★クイーンズ
⑭Astoria Park, Astoria
⑮Travers Park, Jackson Heights
★スタッテンアイランド
⑯South Beach Promenade



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