2021年10月15日号 Vol.408

環境保全の残り時間は7年+
「気候時計」時間内に行動を

①気候変動に対応するために残された時間をカウントダウンする「気候時計」(Photo by YOMITIME)

ユニオン・スクエアで、1日(24時間)の残り時間をカウントダウンしていた巨大なデジタル時計(※参考)「メトロノーム」が2020年9月から「気候時計(ClimateClock)」に変更された。人類が気候変動に対して行動を起こすために残された時間を示すもので、二酸化炭素の排出量が現在の状態で続いた場合、あと7年283日(2021年10月12日撮影時=写真①=)で、カーボン・バジェット(温室効果ガスの累積排出量)が上限に到達。「地球環境に破滅的な影響を与える可能性が高くなる」と警告している。

作者は、環境活動家のガン・ゴールデンとアンドリュー・ボイド。「これは私たちの『締め切り』だ。時計は人間の行動に反応する。私たちは今日、明日、そしてその翌日と、この時間内に行動する必要がある」と主張する。

※参考:デジタル時計の仕組み
デジタル時計は、内部の部品「カウンターIC(外部入力クロックパルスをカウントするための電子デバイス)」が数字を表示させている。



「気候時計」は、シンクタンク「Mercator Research Institute on Global Commons and Climate Change (MCC)」の計算によるデータを使用しており、平均気温1.5度上昇を最大値として設定。世界の排出量が増加し続ければ、当然、残り時間は短くなる。

②先住民が管理する土地と内陸部の水源の総面積を表示(Photo courtesy of ClimateClock)

また、「気候時計」は「デッドライン」の他に、3つの「ライフライン」も表示。 「再生可能エネルギー(Renewable Energy)」、「緑の気候基金(Green Climate Fund:GCF)=途上国における気候変動対策を支援する国際基金」に加え、10月12日には「先住民族の土地主権(Indigenous Land Sovereignty)」=写真②=が追加された。先住民が居住・管理している土地と内陸部の水源の総面積を表したもので、そのコミュニティを守ることが自然環境の保護に繋がると説明している。

「気候時計」はニューヨークの他、ベルリン(ドイツ)、ソウル(大韓民国)、ローマ(イタリア)、グラスゴー(イギリス)にも登場。「我々は早急に、世界規模でこの問題に取り組む必要がある」と訴える。

Climate Clock
■展示期間未定
■場所:60 E. 14th St.
https://climateclock.world


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