2020年10月16日号 Vol.384

防ごう!コロナ第2波
予防ガイドラインをおさらい

季節が秋に変わり、全米規模で再びコロナ陽性件数が増加傾向にある。夏の間、ずっと州内感染率1%以下だったニューヨーク州も例外ではない。特に、ニューヨーク市ではブルックリンとクイーンズの数ヵ所でクラスター発生。10月4日(日)デブラシオNY市長が「ホットスポット」エリアをジップコードで示し、経済の再閉鎖計画を提示、それを受けて同5日(月)、6日(火)と連日、クオモNY州知事が厳しいクラスター対策を打ち出した。今一度、予防対策を徹底しよう。(掲載内容は10月12日現在の情報です=編集部)


①クラスターの集中度を色分けしたマップ

NY州政府のクラスター対策

ニューヨーク州内のホットスポット(コロナ陽性率が7日間連続で3%以上のエリア)は、ブルーム郡、オレンジ郡、ロックランド郡、ニューヨーク市内のブルックリン区とクイーンズ区の全5地域。州政府がクラスターの集中度が高い順にレッド、オレンジ、イエローに色分けしゾーンマップ(図①)を作成、それぞれのエリアで10月8日から経済の再閉鎖など徹底対策が始まった。最低でも14日間、つまり10月22日までは継続し、その後は状況を見て再度判断される。ニューヨーク州クラスター対策の詳細は、別記ウェブサイトで確認を。

★最新のクラスター状況確認マップ・ウェブサイト
http://www.nyc.gov/covidzone
https://forward.ny.gov


NY市のホットスポットとゾーンマップ

デブラシオ市長が州に提示していた市内のホットスポットは別記③、予備軍が④。

③NY市内9つのホットスポット
※コロナ陽性率が7日間連続で3%以上のエリア
■ブルックリン区
 Borough Park (11219)
 Gravesend/Homecrest (11223)
 Midwood (11230)
 Bensonhurst/Mapleton (11204)
 Flatlands/Midwood (11210)
 Gerritsen Beach/Homecrest/Sheepshead Bay (11229)

■クイーンズ区
 Edgemere/Far Rockaway (11691)
 Kew Gardens (11415)
 Kew Gardens Hills/Pomonok (11367)

④NY市内のホットスポット予備軍
※コロナ陽性率は3%以下だが
 上昇しているエリア=ジップコード
11205、11206、11211、11213、11218、11234、11235、11249、11365、11366、11374、11375、11432

州政府作成のニューヨーク市の色分けゾーンマップを見ると、デブラシオ市長が提示していた「ホットスポット・ジップコード」とは微妙にずれるので、マップが公表された時点では市民に混乱が生じた。例えば、市によるジップコード別ホットスポットに入っていないクイーンズ区のフォレストヒルズが、州のゾーンマップではレッドゾーン入り。逆に、ジップコードではホットスポット入りしているキューガーデンズがオレンジとイエローといった具合だ。

クオモ知事は、「ジップコードで単純に分けることはできない」とし、市からの情報を基に、元CDC(米疾病管理予防センター)ディレクターのトム・フリーデン医師他、全米の医療専門家に検証を依頼。最終的に出来上がったのが、この色分けゾーンマップということだ。

クラスターが発生・集中しているエリア、つまりレッドゾーンのほとんどは、オーソドックス系ユダヤ人コミュニティーがあるエリアなため、オーソドックス・コミュニティーで知事への抗議運動が起こったが、知事は一歩も引くつもりなし。

州内・市内のクラスター発生エリアでの感染率は今のところ3〜5%程度だ。春のパンデミック真っ只中に比較すると随分低いし、他州と比較してもまだ低い。例えば、ペンシルベニア州の感染率は8%だ。それでも、「夏の1%以下から、どんどん増加している実態は看過できない。コロナ収束のためにも早期対策は必須」と、知事と市長は話している。

ゾーン別の対策は別記(表②)の通り。


②NY州が発表したゾーン別経済対策ガイドライン

ニューヨーク州のクラスター対策の詳細:
www.governor.ny.gov



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