2020年10月16日号 Vol.384

邦人男性、暴行被害で重症
コリアンタウンでも邦人女性が強盗被害
NY市内で犯罪増加、領事館から安全への注意喚起


NY市の犯罪分布マップ(2020年10月8日時点)

ニューヨーク市内での犯罪が増加傾向にあることを受け、在ニューヨーク日本国総領事館が、在留邦人に注意を喚起している。

9月27日(日)夜、在留邦人がセントラルパーク北端で地下鉄を降りた後、複数から暴行を受ける事件が発生した。この邦人男性が改札を出た後、男女8人が出口をふさぐ形で通行を妨害。男性が通り抜けようとしたところ、そのうちの女性が「ぶつかった」と言いがかりをつけ、グループの数人で殴りかかってきた。男性は逃げようとしたが、追いかけられ更に殴られ重傷を負った。

10月5日(月)夜、マンハッタンのコリアンタウンを歩いていた邦人女性が、突然、何者かに背後から強く押されて転倒。その際、複数人から上着の内ポケットを探られ、貴重品を盗まれた。被害者は軽傷ですんだものの、病院に搬送。その後、自身の銀行口座を確認したところ、ATMで現金が引き出されていた。

ニューヨーク市警(NYPD)によると、今年9月中の拳銃発砲事件の逮捕者数は607人。前年同期の307人の2倍近い。9月中の逮捕者数は1994年以来最多だという。また、マンハッタン南部パトロール地区(セントラルパーク以南)では、10月11日時点で強盗事件が913件発生。これは、昨年同時期よりも約4%の減少であるものの、直近1ヵ月間では約14%の増加。コリアンタウンを含むミッドタウンの商業地域では、以前から、観光客などを狙うスリや強盗事件が多く発生しているため、注意を怠らないよう警戒を呼びかけている。

領事館は在留邦人に対し、市が公表する犯罪分布マップ(別記)を参照し、犯罪率の高い地域を通る際には特に、夜間は十分に警戒するよう呼びかけている。ローカルニュースなどから最新情報を入手し、事件現場付近には近づかないようにする、夜間の外出や人通りの少ない道は避ける、不審な人物には近づかない等、安全を確保する必要がある。

警察・消防・救急は全て「911」
「ジャパニーズ・プリーズ」で日本語通訳サービス利用


緊急時には「911」をダイヤルし(公衆電話ではコイン不要)、オペレーターに緊急事態の場所と内容(警察・消防・病院)を告げる。英語で説明できない時は「ジャパニーズ・プリーズ」と告げれば、日本語通訳サービスを介しての通話が可能。緊急時以外には、「911」ではなく管轄の警察署へ直接連絡を。 

総領事館への通報

思わぬ事態に遭遇し困った場合には、総領事館の「邦人援護担当官」へ連絡する。週末・休日は緊急時のための24時間対応可能な電話システム(日本語オペレーター対応)を導入。

在ニューヨーク総領事館
Tel212-371-8222

弁護士、通訳に関する情報は、下記リンクから
○ 弁護士情報: bengoshi_list.html
○ 通訳者情報: q2_list.html

外出時の安全対策

NYPDが市内の女性への外出時等の注意点をまとめ、在ニューヨーク日本国総領事館に対し、日本人コミュニティーへの呼びかけを求めた。領事館がそれを日本語に訳し、ウェブサイト(別記)に掲載しているので、各自チェックすることが勧められる。以下は抜粋。

▼誰かに嫌がらせを受けても、相手にせず、その場を立ち去る。反応を示すことが事態の悪化につながる。
▼人気のない時間帯に地下鉄を利用する時は、プラットフォームの指定された場所で車両を待ち、乗務員の乗っている車両を選んで乗るよう心がける。バスを利用する際には、なるべく前方の座席に座る。
▼ラッシュアワーの電車やバスの車内では、常に所持品を意識する。
▼宝飾品や現金を見せないように注意する。
▼歩道を歩く時は、人通りが多い明るい道を選ぶ。近道でも、閑散とした通りは避け、多少遠回りでも人通りが多い大通りなどを歩くこと。
▼人通りの少ない地域で誰かにつけられていると感じたときは、人通りの多い場所に移動する、または近くの商店に入る。
▼夜の一人歩きは避ける。可能な限り家族や友人と一緒に行動する。
▼緊急の連絡や911通報に備え、携帯電話はいつでも使えるように充電・準備し、所在を確認しておく。

NY市の犯罪分布マップ
https://maps.nyc.gov/crime

在ニューヨーク日本国総領事館
外出時の安全対策
www.ny.us.emb-japan.go.jp/files/100094083.pdf


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