2019年10月18日号 Vol.360

11歳で死亡したシェイクスピアの息子
子どもの視点で描く生と死
「ハムネット」


Aran Murphy and Bush Moukarzel (Photo by Ernesto Galan)



ダブリン(アイルランド)と、ロンドン(イギリス)を拠点に活動するシアター・カンパニー「デッド・センター(Dead Centre)」による「ハムネット(Hamnet)」が10月30日(水)から11月3日(日)まで、ブルックリンのBAMフィッシャーで上演される。全4公演。アイルランドの国立劇場「アビー・シアター」との共作で、2017年にダブリンで初演。イングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの息子で、11歳で死亡したハムネットの物語だ。

1585年、双子の兄として誕生したハムネット(妹はジュディス)。その直後、父ウィリアムは、自身のキャリアを追求するため家を出た。1596年、11歳のハムネットが病に侵されたと知ったウィリアムだが、家に戻る前に、ハムネットは死んでしまう。

デッド・センターの「ハムネット」は、シェイクスピアの戯曲「ハムレット(Hamlet)」と1文字違い。同カンパニー創設者のひとり、脚本家でパフォーマーのブッシュ・ムーカーゼルは、「タイプミスのような『ハムネット』は、実在した少年。シェイクスピアの有名な作品と1文字違う名前に興味を持った」と述べている。
舞台では、少年ハムネットと、背後に設置されたパネルに投影される父ウィリアムが対話する。「あなたからの連絡がない」と悲しむ息子に、「私を忘れなさい」と、届かない言葉を投げかける父。子どもの視点から見た悲しみ、死、成長、そして犠牲が、人間に与える力を描き出す。

Hamnet
■10月30日(水)〜11月3日(日)
■会場:BAM Fisher
 321 Ashland Pl., Brooklyn
■$25 ※観劇18歳以上
■上演1時間
www.bam.org



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