2019年10月18日号 Vol.360

「新生MoMA」野心的な取り組み
MoMAリニューアル・オープン


Installation view of PEACE is POWER (2019) by Yoko Ono, The Museum of Modern Art, New York. © 2019 The Museum of Modern Art .All Photos: Heidi Bohnenkamp


Installation view detail of Full Scale False Scale (2019) by Experimental Jetset, The Museum of Modern Art, New York. © 2019 The Museum of Modern Art.


Installation view of Energy. © 2019 The Museum of Modern Art


今年6月中旬から、大規模な改修工事のために閉館していたニューヨーク近代美術館(MoMA)が10月21日(月)、再館する。

4万7000スクエアのギャラリースペースを新設した総工費4億5000万ドルのプロジェクト。新展示だけでなく、従来の作品展示レイアウトも見直し、来場者が特定の場所に集中しないよう配慮。西洋の近代美術だけでなく、新たにアフリカ、アジア、南アメリカなどの地域、あまり知られていない作家や黒人、女性作家なども紹介。これまでと同様、「モダニズム」の傑作(圧倒的に白人男性作家が多い)を取り上げながら、同時に「多文化主義」を追求する。

一般に先駆けて10月10日(木)、関係者やプレスに公開されたMoMA。ニューヨーク・タイムズ紙のアート評論家、ホーランド・コッターは、「1929年の創立以来、長年に渡って白人や男性、ナショナリストを奉った時代遅れの記念碑ではなく、息を呑むような21世紀の施設になった」と評価する。

拡張された1階ギャラリーは、「アートは身近なもの」という理念から無料開放。新設部分の2階、4階、5階ギャラリーの展示は6ヵ月ほどのサイクルで再構成。歴史や現代アートの動向を示すプログラムやパフォーマンスなども企画され、アートをより多方面から包括的に紹介する。

再起動した「新生MoMA」の野心的な取り組みが注目されている。

MoMA リニューアル・オープン
■10月21日(月)から
■会場:Museum of Modern Art
 11 W. 53rd St.
■大人$25、学生(要ID)$14
 65歳以上$18、16歳以下無料
www.moma.org



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