2019年10月18日号 Vol.360

特攻隊ミュージカル「流れる雲よ」
今、日本は良い国ですか?



東京のプロダクション、サンディ社制作の舞台作品「流れる雲よ」が、10月25日(金)・26日(土)、西137丁目のサルベーションアーミー・テンプルで上演される。入場無料。
「流れる雲よ」は、サンディ社が2000年ラジオドラマとして制作し、ギャラクシー賞奨励賞を受賞した作品。同年に舞台化され、今年で20年目のロングラン。神社奉納劇や学校演劇、老人ホーム慰問公演などを全国各地で展開している。今年は、鹿児島、東京、大阪、名古屋、長野、福島と回った。
市内の非営利芸術団体ニュー・ヘリテージ・シアターグループの協力で実現した初のニューヨーク公演は、今年のツアーの最終地となる。
ストーリーの時代背景は、第二次世界大戦当時。特攻基地で未来からのラジオ放送を聞き、日本の敗戦を知ってしまう特攻隊員と、整備兵の苦悩を描く。
特攻基地で聞いたラジオでは、ニューヨークの同時多発テロや、日本人がメジャーリーグで活躍していることが語られ、日本の特攻隊が「神風」と呼ばれていた。二人の兵士はその奇妙な放送が西暦2019年から聞こえてくる未来のラジオ番組であることに気付く。そして1945年8月15日に日本が負け、終戦となる事実を知る。二人は愕然としつつもそれを上官達に報告するが、全く信じてもらえず、無慈悲にも特攻命令は下る。
そして二人の特攻前夜、ラジオの神様は粋な計らいをするのだった。未来のDJと会話する二人は、令和元年の日本が戦争をしていないことを知る。そして最後に特攻隊員はDJに質問する。「今、日本は良い国ですか?」。
舞台作品「流れる雲よ」は、この問いかけを続けて20年。今年のツアーは、35人編成のゴスペルクワイアによるパワフルな歌声をバックに、平和への祈りを込めている。

■10月25日(金)7:00pm
■10月26日(土)3:00pm
■会場: The Salvation Army Temple
 540 Lenox Ave.
■予約・問合せ:New Heritage Theatre Group
 TEL: 212-926-2550(9:00am〜2:00pm)
■入場無料



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