2019年11月15日号 Vol.362

日本にとって大変動の年
NY倫理・年次総会


丸山氏(左)と芥川氏


「ヤグール(Yagull)」


ニューヨーク倫理友の会(リンゼイ芥川笑子理事長)の第19回年次総会が、11月7日(木)、市内のニューヨーク・アスレチッククラブで開催された。いつものようにリンゼイ氏の愉快な司会で幕を開け、笑いの絶えない楽しい晩餐会となった。
まず国連日本政府代表部特命全権大使/国連日本政府次席代表の河村泰久氏が、総会開催へのお祝いのあいさつを述べた。このほどカナダ大使に任命され、数日後にはカナダに赴任するというタイミングでの出席だった。
そして例年通りこの晩餐会の目玉は、ニューヨーク倫理友の会の日本の母体、社団法人倫理研究所理事長・丸山敏秋氏の基調講演だ。文学博士でもある丸山氏の講演は、教育的・文化的であると同時に聞いていて楽しく、元気をもらえるとして、毎年楽しみにしている会員が多い。
今年の講演テーマは「人生の羅針盤」。社団法人倫理研究所の創設者である丸山敏雄氏(1892〜1951年)の業績を軸に、人間として幸福に生きるために心がけるべき教えなどについて語った。
「世界が混沌としている今、各分野の専門家でさえ未来のビジョンが見えてないのが今の時代。そんな不安の時代を我々は生きています」と切り出し、「時代は30年毎に節目を迎える」と指摘。日米の歴史や今を見据えた上で、未来について思いを馳せた。
日本を見ると、1930年ごろは軍国主義国家で戦争へと突き進んだ時代、そして60年代から高度経済成長の時代に入り、90年代にバブル崩壊、苦難の時代に。そしてそれから30年後が来年2020年。
「天皇も正式に即位され、日本にとっての大変動の年になるかもしれません。運気は上昇気流に乗るはずで、それに乗れるかどうかの節目の年。そんな年に東京五輪が開かれるのも何かの縁かもしれませんね」と語った。
丸山氏の講演で日本の未来への希望と、日々の生活への元気をもらった参加者は、水野五十一シェフによるディナーを堪能した。水野シェフによる料理も、この晩餐会の例年の話題の一つだ。
そしてこの日のエンターテインメントは、ピアニストの上坪可奈(かみつぼ・かな)とギタリストのサシャ・マルコビックの夫妻デュオ「ヤグール(Yagull)」の演奏。上坪は神戸出身、マルコビックはセルビア出身。二人は、既存のジャンルに縛られない、自由で洗練された心地よいメロディーを、ソウルフルに演奏することで高い評価を得ている。
この日も、オリジナル曲から、70年代ロックのヒット曲を自分たちでアレンジして演奏。会場から大きな拍手が送られた。


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