1 「森田芳光 回想」リンカーンセンターで:ニューヨーク最新イベント情報【よみタイム】#Yomitime
2022年11月25日号 Vol.435

社会の側面をシニカルに描写
リンカーンセンターで12作品上映
「森田芳光 回想」

①「のようなもの」© N.E.W.S. CORPORATIONLTD.

リンカーン・センターのウォルター・リード・シアターで12月2日(金)から11日(日)まで、森田芳光(もりた・よしみつ)監督作品12本を紹介する上映会「回想(Yoshimitsu Morita Retrospective)」が開催される。

2011年に61歳で死去した森田監督。30年以上のキャリアの中で、現代日本映画界に独特な作品群を構築。シリアスなドラマからコメディ、アイドルもの、恋愛、ホラー、ミステリー、ロマンポルノなど、そのジャンルは多岐に渡る。



1981年、落語の世界をテーマにした青春群像「のようなもの」=写真①=で長編監督デビュー。受験勉強に取り組む家族の様子をシニカルに描いた83年の「家族ゲーム」=写真②=は、リンカーンセンターと近代美術館(MoMA)が共催する「ニュー・ディレクターズ/ニュー・フィルムズ」の84年セレクションで早くも紹介された。

② 「家族ゲーム」© 1983 NIKKATSU CORPORATION. / TOHO CO., LTD.

日本社会の風景や日常生活の側面をベースに、その不条理さを前面に押し出した森田映画。シュールな現実感、散りばめられた皮肉、大胆なカメラアングルなど、常識に囚われず自由に描いた作風でファンを魅了し続けた。

今回の上映会には、妻で長年に渡って森田作品のプロデューサーを務めた三沢和子氏が来米する。「黒い家」(3日)、「ときめきに死す」(2日)、「家族ゲーム」(2日)、「失楽園」(4日)の上映時に来場し、作品紹介を行う予定。

全上映スケジュールおよび詳細は、ウェブサイトで確認を。

Yoshimitsu Morita Retrospective
■12月2日(金)〜11日(日)
■会場: Walter Reade Theater
 W. 65th St. (bet Broadway & Amsterdam)
■一般$15、学生/シニア$12、メンバー$10
※3+ Film Package(3作以上購入で割引有り)
■オールアクセス・パス:一般$65、学生$35
https://www.filmlinc.org

★上映作品
(カッコ)内は英題、※は三沢氏の来場日
◯失楽園(Lost Paradise)※4日
◯メイン・テーマ(Main Theme)
◯のようなもの(Something Like It)
◯家族ゲーム(The Family Game)※2日
◯ときめきに死す(Deaths in Tokimeki)※2日
◯39 刑法第三十九条(Keiho)
◯黒い家(The Black House)※3日
◯それから(And Then)
◯(本)噂のストリッパー(Top Stripper)
◯キッチン(Kitchen)
◯ハル(Haru)
◯間宮兄弟(The Mamiya Brothers)




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