2022年11月25日号 Vol.435

「皇帝」と「枕慈童」上演
能:喜多流
ジャパン・ソサエティーで

Photo from Kotei

ジャパン・ソサエティー(JS)舞台公演部では「日本人と非日本人との協働による創造」に焦点をあてたダイナミックな公演を開催する。

2016年の公演で好評を博した喜多流の能楽師たちが、楊貴妃の健康回復を語る「皇帝」=12月1日(木)・3日(土)=を、長寿を寿ぐ「枕慈童」=12月2日(木)=を披露。出演は人間国宝の友枝昭世ほか。「パンデミック」という世界的危機からの早期復活を祈念する。


「皇帝」は、玄宗皇帝が大病の楊貴妃の容態を案じているところに鍾馗の神霊が現れ、病鬼を追い払い、妃の病を治すという物語。

同じく中国を舞台にした「枕慈童」は、菊の葉から滴る露を飲むことで700年も若い姿のまま山奥に住み続けている、という少年の伝説にまつわる、不老長寿をテーマとした作品だ。

ユネスコの無形文化遺産に指定されている能は武家の式楽として発展。能の五流の中で、もっとも武士気質が強く力強さが感じられる喜多流の芸を、喜多流精鋭の能楽師たちが圧倒的な迫力で舞う。

プログラムは共に2部構成。各作品の前には、能の略式である舞囃子(面、装束を付けず紋付袴で、地謡と囃子を連れて1人で舞う上演形式)や、仕舞(面、装束を付けず紋付袴で、地謡のみを連れてシテ1人で舞う上演形式)を、重要無形文化財(人間国宝)に認定されているシテ方・友枝昭世が演じる。

また、プリンストン大学のトム・ヘア教授によるプレパフォーマンス・レクチャーや、喜多流のメンバーによる能の所作のワークショップも開催。詳細はウェブサイトで確認を。

★皇帝 (The Emperor)
■12月1日 (木) ・3日 (土)7:30pm
※終演後1日にソワレ有り

★枕慈童 (Chrysanthemum Boy)
■12月2日 (金) 7:30pm
※終演後「アーティストQ&A」有り
※両プログラム共に日本語上演・英語字幕

■会場:ジャパン・ソサエティー
 333 E.47th St.
■一般$72、JS会員$58
※12月1日のみ:一般$95、JS会員$76
www.japansociety.org/performances

★能の所作のワークショップ
■12月3日 (土) 11:00am~1:00pm
■一般$50、JS会員$40


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