2018年12月1日号 Vol.339

ミッキーマウスとアート
田名網敬一など一流作家20人以上
「ミッキー:トゥルー・オリジナル・エキシビション」

ウィンター・ランタン・フェスティバル
ケニー・シャーフの「宇宙の洞窟」 (All photos by Craig Barritt/Getty Images for Disney)

ウィンター・ランタン・フェスティバル
田名網敬一・作(左)とキース・ヘリング・作

ウィンター・ランタン・フェスティバルm
ダレン・ロマネリ・作(手前)とシニク・スミス・作


世界で最も有名なネズミ、ミッキーマウスが11月18日(日)、スクリーンデビューから90年を迎えた。それを記念した大規模な展示「ミッキー:トゥルー・オリジナル・エキシビション」が、ミートパッキング・ディストリクトで2019年2月10日(日)まで行われている。「ディズニーなら子ども向けだろう」と思うことなかれ。1万6000スクエアの会場には、絵画、立体、マルチメディア、インタラクティブなものまで、ミッキーマウスをテーマにした作品が多数展示され、ちょっとした現代アートのショーケース。その一部を紹介しよう。

80年代ポップ・カルチャーを牽引したキース・ヘリングも、多くのミッキー作品を残した。当時、ヘリングやアンディ・ウォーホルと共に活動した伝説のアーティスト、ケニー・シャーフ。ディズニー最初のライセンス製品、ミッキーマウスの時計からヒントを得て制作した「宇宙の洞窟(Cosmic Cavern)」を展開している。ブラックライトの下、壁一面に貼付けられた様々なオブジェが怪しく光る。シャーフの個人的な思い出も埋め込まれている幻想的な空間。

日本におけるポップアートやサイケデリックアートの先駆者、田名網敬一(たなあみ・けいいち)。絵画、グラフィックデザイン、アニメーション、映像、立体など、多方面で活動。細部まで描かれた斬新な図柄は、見る者に鮮烈な印象を残す。展示作品には、ミッキーマウスのダークな世界がシュールに描かれている。

同展のキュレーターは、デザイナーでクリエイティブディレクターのダレン・ロマネリ。古着を解体し新しいモノを作り出すリメイクブランド「ドクター・ ロマネリ」のデザイナーで、ナイキがリメイクの許可を与えた唯一のアーティストとしても有名。展示は、ミッキーマウスの立体にミッキーやミニーのビンテージTシャツやスウェットシャツなをラッピングした作品。

アートの他にも、ミッキーのデビュー作「蒸気船ウィリー」の実物大レプリカ、1989年から94年まで放映されたテレビ番組「オール・ニュー・ミッキー・マウス・クラブ」のセット、初期のモノクロ画がディスプレイされた部屋など、大人にとっては子どもの頃を思い出させてくれる懐かしいアイテムも多い。さらに、過去のフィギュアやプロダクト、流行のインスタ映えするスポットなどもあり、年齢問わずに楽しめるよう工夫がされている。

90周年を記念して、ファッション、食品、家電、おもちゃなど様々なブランドとコラボした商品も多数販売。アニメーションを基点に、キャラクター商品、レジャー施設、TVチャンネル、映画など、ビジネスとして大成功を収めたディズニー。「人の喜ぶ顔がみたい」というウォルトのポリシーによって生まれたコンテンツは、これからも時代と共に進化し続けるだろう。

Mickey: The True Original Exhibition
■2019年2月10日(日)まで
■会場:60 10th Avenue
■$38 (3歳以下無料)
Disney.com/MickeyTrueOriginal


HOME