2018年12月21日号 Vol.340

パフォーミングアーツで目指す
より良い社会
キャッチ・アス・パフォーミングアーツ

キャッチ・アス・パフォーミングアーツ
(左から)本木さん、河野さん、平川さん


ニューヨークを拠点に、パフォーミングアーツの繁栄を目的とする非営利団体「キャッチ・アス・パフォーミングアーツ」(以下CATCH US)が、2018年9月1日に発足。運営するのは、ライフアドバイザーの本木祐子さん(ジャパンセンターNJ代表)、イベントプロデューサーの河野洋さん(マークリエーション社長)、ダンススクールを主宰する平川美代子さん(TMH ダンスLLC代表)の3人。それぞれが異なる立場でありながら、同じ目的を目指そうと思ったきっかけとは?

平川「今までも、若者の育成に励んで参りました。今回は、NPOという大きな組織の中で、今まで以上にアーティストの成長に関われることが魅力です」

河野「ライブイベントを通してのコミュニティー作りやアーティストのサポートなどを行ってきましたが、別のフィールドで活躍している平川、本木というパートナーと協力し、NPOという立場から、より大きなビジョンで社会貢献できる活動に取り組んでみたいと思っています」

本木「職業柄、様々な境遇の方々の困難や悩みと共に向き合い、有意義で快適な人生のお手伝いをしています。私にとって、パフォーミングアーツとは、正に『生きる』ことであり、人生を豊かにするために必要不可欠なもの。表現するパフォーマーの喜び、舞台を支える裏方の楽しさ、そのパフォーマンスを見る観客の感動と、アートは人生から切っても切れないものだと思います。いじめに悩み、心の病と闘う私の娘を救ったのはダンスでした。そんな彼女のパフォーマンスを見て励まされた幼いガン患者は音楽で自分の気持ちを表現し、その歌声を聞いた老人ホームのお年寄りの方は仲間とコーラスグループを作りました。 幸せを呼びよせるパーフォーミングアーツの連鎖反応を、3人なら実現できると確信し設立を決めました」

本木さんは、同団体の代表理事。設立を立案し2人を誘った中心人物だ。
Creative」
Art」
Talent」
Challenge」
Hope」
の意味を持つ「CATCH US PERFORMING ARTS」が誕生した。

ニューヨークは、多くのパフォーマーがしのぎを削る「激戦地」。観客の目も肥えていて、酷評されたことで開催期間が短くなることは日常茶飯事。その逆も然り。

平川「メディアが集中し、絶大な発信力を持つニューヨークから世界へ向けてアピールする。世界が注目する舞台で評価されることは、世界規模での拡散に繋がります」

河野「ニューヨークは、世界へ羽ばたきたい個人や団体が数多く存在する才能や人材の宝庫。現実的に難しいと思われるアイデアやコラボレーションでも、他都市に比べれば容易に実現可能だと考えています」

本木「それと同時に、皆様の支援と知恵も頂きながら、より多くの方に参加していただけるような活動を展開したいと思っています」

CATCH USが現時点でサポートするのは「日本」というキーワード持つ人々。日本人や日系人はもちろんのこと日本のエンターテイメントや文化・芸術に興味がある非日本人も対象だ。

平川「日本人がアメリカで活動する上で一番不利になるのはビザ。これは難しい課題で私たちも勉強しないといけません。重要なことですので、移民弁護士からの専門的な意見も仰ぎながら、アーティストが活動しやすい環境作りに尽力していきたいと考えています」

河野「マイノリティーであることが不利だとは限りません。日本人ならではの個性や精神性が求められる環境を作り出していければ、それは他には類をみない大きな武器になる可能性があります」

本木「当面はニューヨークを中心にアメリカで活動している方、したい方をサポートしていく予定です」

具体的には、パフォーマンスイベントやワークショップ、レクチャーを開催し、若手育成、アーティストの支援に力を入れるという。

本木「誕生したばかりのNPOですので、外部の方々と、積極的に繋がっていきたい。例えば、日本の芸能事務所がニューヨークで興行する場合、我々の経験やネットワークをフル活用し、お手伝いできます。また、学校や民間団体が日米交流を望んでいる場合は、CATCH USが架け橋になれるのではないでしょうか。日本の素晴らしいエンターテイメントやパフォーミングアーツをアメリカで実現するお手伝いが出来ればと思います」

2019年1月21日(月)、マンハッタンでCATCH USのグランドオープニングとなるファンドレイジングイベントを開催する。琴の石榑雅代、JポップのシンガーソングライターKa-Na(植村花菜)、ダンサーの小森悠冊らパフォーマーが登場、NPO 誕生を記念する(詳細は次号で)。

平川「近い将来の目標は、NYでショーケース的なイベントを継続的に開催し、発掘した若者に才能を発揮出来る場を与えること。それに伴う人材と資金調達のシステム構築を進めていきたいと思います」

河野「最終目標は『みんなが観たい舞台を、演じたいパフォーマーと作りたい職人たちが力を発揮し作り出せるコミュニティを作る』こと。CATCH US は『パフォーミングアーツって素晴らしい!』と素直に肌で感じられる感動を、ライブステージから伝えていきます」

本木「エンターテイメント・芸術・文化を楽しめる環境が『よりよい社会』だと考えます。それには衣食住が整い、個人の自由と社会の安全が保障されていなければなりません。パフォーミング・アーツの繁栄が人の心と体を健全に成長させる。人間味のある対人関係を築くことが可能になると信じています」

Catch Us Performing Arts
■Tel: 201-377-8005
CatchUS.PerformingArts@gmail.com
www.catchus.org


HOME