2018年12月21日号 Vol.340

音楽通じてスマイル届ける
介護施設や病院で訪問コンサート
ユア・スペシャル・バースデー・ファウンデーション

キャッチ・アス・パフォーミングアーツ
10月11日に「アーチケア・アット・テレンス・カーディナル・クック・ヘルスケア・センター」で行われたコンサートに出演した(左から)テレンス・ドーブさん(ピアノ)、ティファニー・ワイスさん(バイオリン)、YSBF主宰の篠塚さん、中野さん

キャッチ・アス・パフォーミングアーツ
10月11日のコンサート風景


「ニューヨークのとある施設に入居する友人の誕生日プレゼントとしてコンサートを行った時のことでした。本人はもちろんのことですが、施設に住むたくさんの皆さんが笑顔になり、喜んでくれたのです」と話すのは、「ユア・スペシャル・バースデー・ファウンデーション」(以下YSBF)の代表、篠塚京子さんだ。「大勢の人に音楽で笑顔になってもらいたい」と2016年、YSBFを設立。それ以来、ニューヨーク、ニュージャージーを中心に、養護施設や退役軍人施設、病院、修道院などを訪問、プロの演奏家による質の高いコンサートを贈り届けている。

東京生まれの篠塚さん。都立北野高校を卒業後、総合エレクトロニクスメーカー・富士通株式会社へ入社。企業や省庁などの通信・情報処理システム化に伴うシステム端末教育訓練インストラクターとして勤務する。
富士通退社後の1974年、ダイナミックセールスネットワーク設立。人材派遣やICチップの販売に加え、発明家として有名なドクター中松の総合マネージメントなども担当。バブル景気も手伝い、若手起業家として多方面で活動した。
順風満帆の篠塚さん。ところがバブルの終焉を予感し、従業員への責任を全うするために、新しい事業への挑戦が必要だと感じていた。
丁度その頃、休暇でニュージャージーの友人宅を訪ねた篠塚さん。「秋の頃で、素晴らしい紅葉が今でも目に焼き付いております。その美しい景色を見た時、『この地でもう一度チャレンジしてみよう』と思い至りました」
1987年に来米し、1988年にはニューヨークでオフィスを開設。1999年からは、読売新聞ニューヨーク・オフィスが運営していた教室「読売コンピューター」をまかされた。バブルの終わりをいち早く察知し、先手を打つ。失敗して当然、まずは動いてみる、走ってみる。ビジネス成功の秘訣だそうだ。

篠塚さんと共に、YSBFの活動を支えるのは、音楽家の中野成将(しげまさ)さん。2年前、篠塚さんの友人が入居する介護施設での演奏を依頼されたことが、参加のきっかけだった。
「YSBFは非営利団体でありながら創立以来、寄付を受けておらず、全て篠塚さんの個人の支出で運営しています。篠塚さんは言葉で語らず行動で示す人。私が彼女の声となって語ることで、皆さんにYSBFの、篠塚さんの活動を知っていただければと思います」
中野さんの担当はMCと歌。サックスも演奏し、会場を盛り上げる。
「懐かしの曲を歌い演奏すると、大合唱になります。その瞬間は僕も大いに楽しんでいます!」と笑う。YSBFの主旨に賛同した音楽家たちがボランティアで参加、演奏を届けている。
「篠塚さんは、決して威張ることがありません。裏表もありません。誠実で優しく、心の大きな人だと感じています。尊敬しています」

誰もが持つ特別な日の「誕生日」が、さらに「あなたの特別な誕生日」となるYSBFの訪問コンサート。「コンサートが始まる前には暗かった観客の皆さんが、コンサートの後では涙を流したり、素敵な笑顔に変わる時に、『YSBFを立ち上げてよかった』と思います。今後はもっと沢山の人々にコンサートをお届けしたい」と目を輝かす篠塚さん。「YSBFにコンサートをして欲しい皆様は、お気軽にお問い合わせください。私たちの目標は、音楽を通じてアメリカ全土に笑顔を届けることです」
自らが思い描いた絵を、行動で示してきた篠塚さん。YSBFの全米制覇は、そう遠くないだろう。

Your Special Birthday Foundation
■問合せ: info@ysbfny.com
www.ysbfny.com


HOME