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よみタイムVol.107 2009年2月20日号掲載
「ダイノブ」NY店オーナー 台信康之さん

デリの「ダイノブ」ネットで人気に
経営は3男の台信康之さん
管理システム自前で開発


惣菜・弁当は奥のオープンキッチンで作られる

 ネットなどを通して、アメリカ人に人気の日系グローサリーストアがある。イーストサイド47丁目、レキシントンと3番街の間に、昨年12月24日にオープンしたばかりの「ダイノブ・ジャパニーズ・デリ」(台信康之社長)だ。まだ、開店して2か月余りだが、インターネットでのバズマーケティング効果で、地域で働くアメリカ人の間にあっという間に知名度を広げた。ニューヨーク・マガジン紙やタイムアウト紙はもとより、安くてうまいランチ情報を満載するサイトやブログ、変わったデザート情報ばかりを集めるデザート・バズなど、ブームを先取りしようとするような若者たちの情報網に乗っているようだ。
 「ダイノブ・ジャパニーズ・デリ」は、九州・熊本に本拠地を持つスーパーマーケットチェーン「ダイノブ(台信商店)」の海外進出1号店。経営者の台信康之さん(35歳)やスタッフは、コンピュータに強く、レジとつながる会計システムや管理システムも自前で開発したものを使用。現在調整中の在庫管理もゆくゆくは自社開発のシステムにつながるという。こうした若いコンピュータ世代の強みが情報発信にも生かされて、アメリカマーケットで予想以上の結果をあげている。
 「お客様は日本の方、アメリカの方、半々と考えているんです。時間帯によって使いわけてもらえたらいいですね」と台信さん。惣菜やランチの弁当ボックスは、すべて店内奥にある清潔なオープンキッチンで作られる。「まず食べてもらっておいしいと感じたら、食材にも関心を持ってもらえますから」。
 スーパー・ダイノブは家業である。実家は熊本県。4人兄姉全員がダイノブに関わっている。11年前に、ニューヨークに語学留学。「高校を卒業してすぐに入社して働きどうしだったので、ビジネスや自分を見詰め直す時間が欲しかった」という。この時以来毎年1〜2回はニューヨークに来て、スーパーの現状や流通業界の把握に努めた。
 準備期間は約2年。昨年のクリスマスイブ、やっとオープンにこぎつけた。「アメリカのスーパー事情を見ても、デリを前面に出してデリを育てていきたいんです。」と抱負を語る。

 兄二人、姉一人の末っ子に生まれた。「ダイノブ」本店は熊本県の南部、下益城(しもましき)郡にある。現在は本店に80人の世帯だ。
 元々、広島県出身の曽祖父が筆の行商で訪れた熊本県に定着し、運送業や燃料店、銭湯などを多角的に経営、たまたま配達先の固定客から、食料品も持ってきて欲しいと言われて食料品にも進出。これがスーパー・ダイノブの原点だ。
 「顧客のニーズに合わせてビジネスの業態も柔軟に変化する」台信家の家訓みたいなものだ。父も母も根っからの商売人。小学校のころから、野菜の袋詰めなど店の手伝いをさせられた。家族での団欒でも、父は晩酌しながら商売の基本を説く。「商いを通じて地域社会に貢献するのが商売人である」との哲学をみっちりと身体に叩き込まれた。
 高校を卒業するころには、迷わず両親のような商売人になろうと憧れた。ニューヨーカーは、新し物好きである反面、飽きやすいことでも人後に落ちない。
 「解決しなければならない課題は山積してるんですけど、幸いなことに、いろいろな人たちから助けられています」と台信さんは言う。スタッフの接客も確かだ。
 現在、クイーンズ区で真粧美(まさみ)夫人と長男で1歳半の賢之朗(けんしろう)ちゃんと3人暮らし。「2か月経ってようやく週一度家族で過ごす時間が取れるようになりました」と微笑んだ。
(塩田眞実記者)

Dainobu Japanese Deli
129 E. 47th St.(Bet. 3rd & Lex. Aves.)
Tel: 212-755-7380
www.dainobu.com