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 よみタイムについて
 
 
よみタイムVol.128 2010年1月15日号掲載
日本和装USA 着付け講師 粕谷ひさ子さん
草の根で着物人口増やしたい

  ニューヨークは初めて。まるで3次元の世界にいるみたいです。まだ、この土地で生活して1か月ですから、見るもの、聞くもの何でも新鮮です。着物を着て歩いていると「日本語教えて」なんて言われ、びっくりしたこともありますね。
 実家が静岡の料亭だったこともあり、着物は、物心ついた時から着ていますね。また、親が習い事に熱心で「6歳6月6日」のお稽古始めから茶の湯(表千家)、三味線など習わされました。中学まで、ピアノ、バレエもやりましたね。
 実家の料亭「ふるさと本家」は地元でも老舗の料亭として知られていた。かつて放浪画家の山下清や日本の婦人運動家、政治家、元参議院議員の市川房枝、コメディアンのトニー谷らが常連客だった。
 でも高校を卒業すると、英語の専門学校に行ったんです。海外に一度出てみたくて英語を勉強しましたが、親の反対もあり1年間で止む無く挫折しました。このあと、土木関係の会社に入社して、今の主人に出会いました。いわゆる「寿退社」で家庭の主婦をやってました。子どもも2人(れい、まり)産んで、平凡な主婦でした。(ほんの一時ですが) 
 娘のまりさんは、09年6月に結婚した。相手は幣紙08年11月7日号でインタビューしたマウンテンバイクの達人で「シルク・ド・ソレイユ」の出演有薗啓剛さん。先日、親子で食事をした時「よみタイム」の話が出て以前に取材された事を知ってびっくりしたという。
 「何か自分らしい仕事をしたい」と24歳の時に化粧品の仕事を始めました。フェイシャル、基礎化粧に興味があったんです。子育てと仕事の両立で大変でした。でも仕事が好きでしたから。気がつけば20年ですね。
 ある時、きちんと着物を学びたいと思って、あらためて着付を始めました。小さいころから着物を着ていたおかげで、1年足らずで師範のお免状をいただき、認定書をいただいて日本和装の仕事を始めました。もう6年になりますね。ニューヨークに駐在するなんて夢にも思いませんでした。今思えば30年前の思いがかなったのかな?
 英語学校で学んだことなんて、何の役にも立っていませんね。英語わからないですから(笑い)。
 着物を着ていると生活が変わりますね。何げない動作がとてもきれいで、日本人を感じます。レストランに食事に行く時や、パーティーに招かれた時などは着物は最高
です。言葉で話さなくても、日本の伝統文化を目で伝えてますもの。
 結婚した時は、嫁入り道具として桐の箪笥に100枚近い着物が入っていた。ほとんど着る機会はなかったが「親の思いを箪笥の中にしまい込んでいた」という。
 皆さんには着物をもっと勇気をもって着て欲しいと言いたいですね。今では、簡単に着られる手法もありますし、寒い時は暖かいし、暑い時は涼しいし、昔の人は利に かなった生活をしていたんですね。私の仕事は草の根でもっともっと着物人口を増やしていくことです。
 日本和装は86年に「4か月間無料きもの着付教室」としてスタート。ビジネスの根幹は、和装品の販売仲介事業。08年3月にニューヨークに進出、これまで166人の修了生を送り出している。
(吉澤信政記者)