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 よみタイムについて
 
 
よみタイムVol.138 2010年6月4日号掲載
衆議院議員 鈴木宗男代議士
[衆議院議員・鈴木宗男代議士に聞く」
強い日米の信頼関係

衆議院議員で、外務委員長の重責にある鈴木宗男代議士(新党大地代表)に会う機会が日本であった。わずか20分だったが、議員会館でたっぷりと「宗男節」を聞かせてくれた。
(聞き手・吉澤信政記者)

密約問題は日本の不作為
人道支援は「自分の身の丈に合った」活動を


 インタビューの時期、日本では日米の核密約問題がちょうどマスコミを賑わしていた。

吉澤 :民主党政権になって、やっと密約問題が表面化しました。国民にとって評価に価することだと思いますが、衆議院外務委員長としての立場から、ご意見を伺わせていただきたい。

鈴木:アメリカが公文書の情報公開をしているのに日本政府がしないというのは、日本政府の不作為です。当時の状況も、アメリカと日本の力関係からしても、日本は呑まざるを得ない状況だったということが推し量れると思います。
 逆に私は、日本政府が密約がないといっていたのが間違いであって、密約があったからといって何も日米関係に影響を与えるものではないと。日本政府の不作為だということですね。

吉澤 :4月半ばにワシントンDCで核安全保障サミットが行われましたが、鳩山首相はオバマ大統領と公式に会談できませんでした。日本は外交面で存在感をなくしているような気がします。

鈴木:そうは思いません。日本は日本なりの存在感は示している。たとえば、今回の核サミットでも、あまり表に出てこないけれども、イランに対する再制裁をオバマさんが言いました。日本はいち早くその提案に同意しています。これだけでもオバマさんは非常に日本に感謝しているし、日本のマスコミ報道は間違っていますね。 
 鳩山さんは10分しか会えなかった、胡錦濤(中国主席)は90分だったというけれど、90分あったって意味がなければどうにもならない。鳩山首相は、ディナーの時、きちんとオバマ大統領と話しています。ワーキングディナーというのはとても重いものです。しかも、テーブルの他の人は相手にしないでね。信頼関係がなければとてもできないことですから。

吉澤 :各国は天然資源の確保や経済交流などでアフリカの各国に注目しています。日本はこの点で出遅れていないかと。特に今年は南アフリカと日本の国交樹立100周年でもあり、ワールドカップイヤーでもあります。

鈴木:天然資源、特にウランがこれからの一つの生命線だと思っています。カザフスタンとの間で、日本は原子力協定を結び、昨日条約も成立しました。この点では、なにも心配ないと思います。
 アフリカについては、中国が今大変な勢いで進出していますが、これも小泉政権以後、日本の政治の方向性が間違っていたと。小泉政権というのは、アメリカ一辺倒で、まさに従属国家であった。そのツケが今出てきています。
 特にアフリカにおいては、日本は中国に負けています。恐らく取り返しがつかないと思います。この点、非常に政治の責任は重いです。
 日本・南アフリカの関係は、100周年というメモリアルの年で、ワールドカップもあり意味深いです。日本は水産関係部門では南アフリカとは大きな関係を築いてきましたから、そういった意味ではいい年になると思っています。
 日本はすでに沖縄サミットで、エイズをはじめとする感染症対策にアフリカに1兆円出すと決めています。アフリカへの経済協力も含めて、これを着実に実行する、これが大事だと思います。

吉澤 :民間レベルでも頑張っている組織があります。もっと、政府なり国がバックアップできないでしょうか。

鈴木:日本と欧米、決定的な文化の差は、寄付に対する認識です。まったく違いますね。日本でも、お賽銭を出すなんていうのは、寄付ですね。アメリカだとキリスト教に対しての浄財を出す、これも一つの当たり前のこととしてやりますね。そこで、組織が運営されている。どうも日本の場合、寄付に対する認識が違います。これは、やはり宗教的なものからきているのでしょう。意識改革をしないとだめですね。
 それから、NGOというのは「ノン・ガバメント」ですから、国に頼るのはおかしいですよね。アメリカのNGOはみんな自前でやっているじゃないですか。日本のNGOは国民の税金をもらって動いている。これは甘えの構造です。
 みんなNGOやNPOはいいものだという認識でいますが、私が警戒するのは、政治家、政党が持っている団体もあることです。一つの目的を持って、たとえば節税対策に使っている部分があったりします。これは邪道で、純粋ではないですね。
 ですから、自分の身の丈に合った活動をするのが、人道支援だと思っています。背伸びする話ではなく、自分の持っている中で、靴下一足、ハンカチ一枚でもいいんです。自分が出来る範囲でやっていく、その心構えを発展させることが大事だと思います。

吉澤 :先生は北海道の足寄のご出身ですが、ニューヨークにも「北海道ゆかりの会」というのがあり、いろんな活動をしています。我々は食文化、ビジネスなどの面でもっと北海道とアメリカ、ニューヨークをつなげたいと思いますが。

鈴木:アメリカは広いですからね。ロサンゼルスには一時期、道庁の事務所がありました。今でも北海道人会というのは非常に活発に活動していると聞いています。

吉澤 :ロスには昔からの一世、二世の方がいらっしゃいますので。

鈴木:それと、やはり学者の皆さんとかが行っていますね。ロサンゼルスに、臓器移植の外科でアメリカでも有名な先生がいます。岩城先生といいますが、彼は北海道の人です。日本で最初に心臓移植をした和田寿郎の弟子です。その人たちが、北海道人会の会長もされていて、時々、講演会に呼ばれたものです。
 ニューヨーク、ワシントンは遠いですが、これからはもっと緊密に連絡をとりあって情報交換をしていかれるといいですね。

■鈴木宗男代議士
1948年北海道足寄町生まれ。地元高校を卒業後拓殖大学政経学部に入学。学生時代から衆議院議員の中川一郎の秘書に。83年衆議院総選挙で無所属で北海道旧5区から立候補、初当選。98年小渕内閣の時、05年内閣官房副長官に。年歌手の松山千春とともに新党大地を結成。09年9月から衆議院外務委員長に就任。