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よみタイムVol.71 2007年8月17日号掲載

 岡島ヒミ

豚足を食べて健康と美容を
NYに専門店、岡島ヒミさんに聞く

 健康と美容維持の「食べるエステ」として日本で人気のある豚足料理専門店が9月下旬、グリニッチ・ビレッジにオープンする。店の名前は「ハカタ・トントン」。ディナーから朝4時までの居酒屋スタイルで営業する。オーナーは福岡で豚足料理店「燈・巳家枇」(ひ・みやび)を経営する岡島ヒミさん(36歳・ニューヨーク在住)。「ニューヨークでも豚足ブームを起こしたい」と意欲満々だ。


 でも何故、豚足を? コラーゲンは美容に優れた効果を発揮し、注射することさえある。豚のつま先にはコラーゲンがいっぱい。日本の店ではテーブルで女性たちが奪い合って爪をしゃぶっているという。美味しくて美容にいい、とくればうなずける。
 「豚足料理といっても、爪のついた豚の足そのまま出すわけじゃないんです。サーブする料理から形を想像することはないですね」という。ニューヨークは人種の坩堝、豚肉を宗教上の理由で口にしない人も多いはず。
 「一般的に豚を食べないユダヤ人やイスラム人でも、いろんな人がいます。ましてここはニューヨーク、宗教と美意識とどちらが強いか興味があります」と岡島さんは自信たっぷり。さらに有力出資者はユダヤ系アメリカ人だ。
 そもそも、豚足料理に目覚めたのは、料理コンテストに出場した時に与えられた課題「郷土料理+郷土料理」。考えた末、地元九州福岡の豚足料理に韓国料理を足してみた。生み出されたのが「博多チョッパル鍋」。韓国の辛い鍋に、豚足を入れ、あとはトマトを加えてブイヤベースみたいに煮込む。食べ終えて残った汁にご飯を入れればビビンバとして楽しめる。コンテスト用に考えた料理だったが、店に出してみると飛ぶように売れた。このメニューしか出ない日さえあった。
 さらに工夫を加え、豚足料理をさらに10品以上考え出した。これが現在のメインになっている。当時はまだ「コラーゲンと食」が結びついていなかった。
 「人間のからだは実は70%くらいがコラーゲンなんです。脂と誤解されやすいけど、骨や皮膚、髪の毛なんかもそうなんです。骨粗しょう症はコラーゲン不足が原因です」。「コラーゲンを食べたから、きれいになるというのは誤解で、本当は老化の抑制に役立つんです」。
 「20歳の時に一日に必要なコラーゲンを摂取していれば、40歳になっても20歳でいられる。維持できるということなんです」と説明する。
 豚足は鹿児島の黒豚が一番だが、豚肉の輸入は出来ない。「鹿児島の黒豚って元々アメリカのオハイオ州産バークシャー種なんです。聞いてみたら豚足はみんな棄ててるから、お前にやるって言われまして」。工賃と送料は負担するが安く確保できることになった。チャイナタウンなどで見かける豚足は、小さいものが多い。「あれは注射で無理に体を太らせるために、足の成長が追いついていないんです」届いたオハイオ州の黒豚の足を見て「ワッ!大きい!」ゆっくり育ててるから足もデカイ。
 岡島さんは、小学生のころから料理好き。「母親の料理があんまりうまくなかったので、自分で作ることに目覚めたのかも」と笑う。高校を卒業して、フランス料理の専修学校に入学。卒業後はシェフをしたり、レストラン経営をする企業に入ってサービスや経理も学んだ。NHKの料理講師も経験している。「先輩たちは、この道石の上にも10年、て言うんだけど10年は長いなと」人の倍働けば、半分ですむなとガムシャラに働いた。
 「博多トントン」を数か月で、きちんとした形にして、次はスペインに行くという。「『一年一国一店舗』って言ってきたんですよ。今年がその1年目」。「ことしの4月にフランスのトゥールーズ市を訪ね、市長さんに豚料理を作ってご馳走したんですけど、おいしいおいしいって」。
 「がつがつと金儲けするのは性に合わないんです。海外に店を増やすのは、どこに行っても友だちがいるってこと。従業員にとっても、いろんなところに行けるでしょ。そういう環境整備がどこまで出来るかというのもこれからの自分の課題だと思ってます」。
 「言ったからには必ずやる」若きオーナーシェフは言い切った。
(塩田眞実記者)