2018年3月30日号 Vol.322

歯の健康は心身の健康に密接

 著書「Nutrition and Physical Degeneration」(Weston A. Price・著)は、ホリスティック療法を信じる医療関係者にとっては、教科書のような本です。日本語版は「食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食その身体への驚くべき影響」(片山恒夫/恒志会訳、恒志会刊)。歯科医である著者が、1930年代を前後して世界各地で10年以上の現地調査を行い、食生活がいかに体に影響を与えるかを、歯科医の視点から説いた一冊です。例えば次のようなことが書かれています。
 △昔から虫歯、乱杭歯、不正咬合のない民族が伝統食を捨てて、砂糖、精白穀物、缶詰、殺菌牛乳、加工脂肪・油を摂る文明食を始めると、虫歯や感染症、退化症状がひどくなった。△文明食を取り入れた親から生まれた子供は、乱杭歯で顔が細く、骨格が歪み、免疫力が低かった。△食事によって継代的に顔が細くなり、歯並びが悪くなるとしたら、その食事を何代も続けると家系は絶えてしまう。
 そして近年、歯科医療の中で使われる水銀入りアマルガムの詰め物や、歯根管治療(ルートカナル)による病巣感染、不要な親知らずの抜歯などが、体の病気に影響を与えていることが明らかになってきました。歯並びの良い健康な歯は、心身の健康にとって不可欠だということです。
 プライス歯科医が調査した世界各地の古代伝統食には、当時のアメリカ人の食事に比べ少なくとも4倍のミネラルや水溶性ビタミン(CやB群)、10倍のビタミンA・Dが含まれていたそうです。残念ながら現代の食材には、その100分の1から50分の1程度の栄養素しか含まれないと思いますが、今週はこうした栄養素が豊富な食材を選んで、動物性脂肪のバター入り芋スープを作ってみました。

今週のレシピ「バター入り芋スープ」

■材料(約2人分)
●さつま芋 約2cmのサイコロサイズ 1カップ
●梨 約2cmのサイコロサイズ 半カップ
●玉ネギ 中半個 ざく切り ●海塩 小さじ半
●月桂樹の葉 1、2枚 ●クローブ粉 小さじ半
●チキンまたは牛のボーンブロス 3カップ
●バターまたはギー(ghee※) 大さじ1.5
●パセリ みじん切り 大さじ1
●プチトマト 好みで
※「ghee」は発酵無塩バターを煮詰め、水分やタンパク質を取り除いた純粋な乳脂肪。ヘルスフード店で購入できます。

■作り方
@底厚の鍋を中火で熱し、大さじ1杯のバターかギーを入れ、溶けたら玉ネギを入れて炒める。
A玉ネギがきつね色に焼けたら、さつま芋、梨を加え、海塩、クローブを加えて火が通るまで炒める。
BAにブロス、月桂樹の葉を入れ、蓋をし、沸騰したら、15分ほど弱火で煮る。(芋が柔らかくなるまで)
C盛り付けに残りのバター(大さじ半)を加え、パセリ、プチトマトをのせる。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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