2018年6月29日号 Vol.328

夏野菜トマト、リコピンの強力な抗酸化力

 夏の野菜と言えばカボチャ、キュウリ、シシトウ、トウモロコシ、シソなどいろいろありますが、ニューヨーク市のファーマーズマーケットにずらっと並ぶのはトマトです。中でもエアルーム(Heirloom)トマトは甘くて大人気。おやつ代わりにもいいし、栄養的にも優れものです。各種ガン、心臓病、糖尿病の予防にも役立ちます。
 トマトがなぜ栄養価の高い野菜と言われるかというと、リコピン(トマトの赤い色素成分)が含まれているからです。リコピンの抗酸化力は、β—カロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上だと報告されています。強い抗酸化力は、老化や生活習慣病の原因となる「活性酸素」を除去し、細胞の遺伝子変異を抑制してガン化を防ぎ、また血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化を防ぎます。そして、トマトに含まれるクエン酸や食物繊維は、食後の血糖値の上昇を穏やかにします。
 脂溶性のリコピンは、油脂分に溶けた状態で摂取されるため、油脂分を含む食品との同時摂取がオススメです。また、生よりも加熱処理した方が、体への吸収率が約2〜3倍上がります。油で焼いたり炒めたりして摂取するのがベストと言えるでしょう。
 というわけで今回は、同じく夏野菜のズッキーニとサマースクワッシュを使ったトマトのソテーをご紹介します。

今週のレシピ「ケールの煮びたし」

■材料(1〜2人前)
●ズッキーニ 1カップ
 (縦半分に切り、それを厚さ3ミリぐらいに切る)
●サマースクワッシュ 1カップ
 (縦半分に切り、それを厚さ3ミリぐらいに切る)
●チェリートマト 1カップ(縦半分に切る) 
●ネギ 大さじ1(みじん切り)
●パセリ 大さじ1(みじん切り)
●鷹の爪 小さじ1〜2(みじん切り)
●ギー(ghee※) 大さじ2
●海塩 少々
●コショウ 少々
●ニンニク 大さじ1(みじん切り)
●レモン汁 大さじ1
※「ghee」はインド料理によく使われる澄ましバターで、アメリカでもオーガニックのものが瓶入りで市販されています。

■作り方
@ギー大さじ1を湯せんにかけて溶かしておく。
Aボウルにズッキーニ、サマースクワッシュを入れ、塩・コショウをし、溶かしたギーを入れ、混ぜ合わせる
B強火で熱した鋳鉄(キャストアイアン)鍋、またはステンレス製の大き目のフライパンに、残りのギーを入れ、ニンニクをきつね色になるまで炒める。
CBにAのズッキーニとサマースクワッシュを平らに置き、焦げ目がつくまでサッと焼く。裏返して反対面も同じように焼く。
DCにトマト、鷹の爪を入れて焼く。
Eトマトが柔らかくなり、少し焦げ目が付いたら、器に移し、パセリ、ネギ、レモン汁を混ぜて出来上がり。好みで塩・コショウを足してください。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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