2018年12月9日号 Vol.339

JCATNY

アートとは何か?
芸術テロリスト、バンクシー(Banksy)

ART
2013年10月、ニューヨーク市内で各所に様々な「落書き」をしたバンクシーだが、彼の「思惑通り」、すでに多くのものは存在しない。写真はW.79St.とBroadwayに残る貴重なひとつで、アクリルで覆われ保存されている。


ロンドンの街に、バンクシー(Banksy)の作品は浸透しています。それはまるで80年代にキースへリングがニューヨークの地下鉄で、毎日グラフィティーを描いていたことを思い起こさせます。バンクシー自身の正体は不明で、いつどこで作品を描くのかも読めないため、「芸術テロリスト」とも呼ばれていますが、私は彼こそが本物のアーティストではないかと思っています。
消されることを前提に、メッセージ性のある作品を街の中に残すバンクシー。彼の作品を通して「アートとは何か?」を考えずにはいられません。彼の怒りや反抗がアート制作の原動力。人間のイマジネーションを軸に、コミュニケーションする方法が「アート」だと仮定するならば、彼は完全にそのクリエイティビティーによって、世界中の人々とコミュニケーションを取り、共感を得ています。彼によって生み出されたアートは、まるでミラーのようにその時代を反映しています。美術史を紐解くと、その時代の出来事がみえてくるように、私たちはバンクシーの作品から、現代(今)を知ることが出来ます。私はそれが本当の「アートの役割」ではないかと思います。

いたみありさ(JCATファウンダー/キューレーター)

JCAT は総勢160 名以上の日本人現代アーティストチームです。詳細はウェブサイトをご覧ください。
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