2015年12月19日号 Vol.268

市の住宅プロブラムに
新年はアプライしよう

ニューヨーク市には「アフォーダブル・ハウジング・プログラム」があるのをご存じだろうか。どうも日本人コミュニティーが損しているような気がしてならないので、ここらで一発、来年はぜひみなさんにこのプログラムにアプライしていただきたいので、簡単にしたためる。
 ニューヨーク市のビル・デブラジオ市長の選挙公約の一つが、市のアフォーダブル・ハウジング・プログラムの充実だった。今後10年間で、新築・既存含めて20万軒のアフォーダブル・アパートメントを、50万の市民に提供しようというもの。そのために410億ドルの予算案を打ち出している。
 いわゆる「プロジェクト」と言われる「低所得者用住宅」と、この「ハウジング・プログラム」をごっちゃにしている人がいるが、この2つは別物だ。
 「ハウジング・プログラム」は、ちゃんと仕事をしている低・中所得者向けのもので、個々の年収、家族構成に応じて、市場価格よりずっと安く、新築の高級高層住宅ビルなどの「普通の物件」に入居できること。
 デベロッパーは、このプログラム用にアパートを提供すると税金控除を受けられるので、協力する。プログラムに提供されるのは、高層ビルなら大体が下層階のユニットで、景色が悪いなどの「オチ」はある。
 一種の住宅ロッテリーで、市が物件を発表した時点で、申請しておかなければ当たらない。

本当に公平なのか?
申請者選択プロセス

このプログラムの運営が、関係者の間であらゆる角度から疑問視されている。ここではテクニカルな部分には触れず、筆者の周りで起こっている現象から、あえて身勝手かつ無責任に書かせていただく。どうも、中国のラストネームを持っている人がやたらと選ばれ、恩恵を受けているように思えてならないのだ。
 私の台湾人の友人夫妻は、中所得者としてアプライし、ここ1年で3回「当たり」、物件を見に行っている。その度に「狭い」と入居を断っていたが、今回ロングアイランドシティーの新築高層物件の2BRに引っ越した。家賃はひと月1500ドルだとか。別の中国人の友人2人も、同じようにブルックリンの新築高層住宅に住んでいる。
 筆者とてあらゆる物件にアプライしているのに、一度も当たったことがない。なぜ中国系の友人たちが揃いも揃って当たりまくるのか。不公平なことが起こっているような気がしてならないのだが。ただのひがみか…。
 と、ここで不正を叫んでも仕方ないので、とりあえず皆さん、以下のウエブサイトに登録し、どんどんアプライしましょう。物件がリストされており、登録すると新規物件のお知らせがEメールで届く。レントは物件によって異なるが、例えばハーレムの物件で、低所得者用2BRが736ドル、同じ物件の中所得者用が930ドル。(ささききん)

https://a806-housingconnect.nyc.gov



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