2018年3月16日号 Vol.321

便利な犬の散歩アプリ
でも迷子の犬が続出?

犬を飼っている読者で、「WAG」というドッグウォーカーアプリを使ったことがある人はいるだろうか。ウーバーで車を呼ぶごとくに、ドッグウォーカーを呼ぶというもの。
 自分の犬の散歩くらい自分でしろと言いたいのだが、まあ人それぞれ事情もあろう。体の調子が悪い時などには、確かに便利なサービスではある。
 ところがご用心。今年2月から3月にかけて、このアプリ利用者の犬が、わかっているだけで3匹迷子になっているとタブロイド紙が騒いでいる。
 ドッグウォーカーに事情を聞くと、「ウンチを掃除してたら、うっかりリーシュを落としちゃって、そしたら逃げちゃった」と。
 こんなことがあってはアプリ側も信用問題。必死にいなくなった犬探しをする羽目に。5000ドルの謝礼付きで捜索活動を展開したところ、ブルックリンでいなくなったピットブルは、2週間後に見つかった。が、やせ細っていたそうだ。
 WAGによると、ドッグウォーカーを雇う際は素性も調べ、トレーニングも受けさせるという。多くの利用者がいる中で、わずか3件と言えなくもないが、「リーシュ落とした隙に逃げられた」ではあまりにもお粗末。
 今は何でもアプリ時代。アプリを否定はしないし、上手に利用すれば便利な文明の利器だ。ただ、ペットの安全がかかっている場合は、用心に用心を重ねてほしい。いざという時のペットの世話はアプリなんぞに頼らず、信頼できる友人知人に頼むべき。犬の飼い主は、日頃から飼い主同士のネットワークを構築しておくくらいの努力をするべきでは?

老女のいびき原因?
キレた同居人の殺意

緑色のTシャツを着たギョロ目の男が連行されて行く映像または写真を、ローカルニュースで見た人も多いと思う。この男、エンリケ・レイバ容疑者(47歳)は、92歳の女性同居人のいびきがうるさいため「キレた」と、老女殺害の後、自分で911に通報している。眠っている老女の顔に枕を押し付け、首を絞めたのだという。
レイバ容疑者は約3年前ゲイの恋人と別れ、この老女のアパートにルームメートとして入居。老女を介護していた。ところが、同じビルの住人らによると、レイバが入居した後、彼らの部屋からゴキブリやネズミがゾロゾロ出てくるようになり、二人とも身なりがみすぼらしくなっていった。毎日のように怒鳴り合う声も聞こえたそうだ。
同じビルに住む元カレ曰く、レイバは抗うつ剤と抗不安剤を服用しており、事件前もレイバが虚ろな目をしていたと地元紙に話している。住人らが市のアダルト・プロテクティブ・サービスや、ビルの管理会社に連絡しても、何もしてくれなかった。
タブロイド紙は、「いびき殺人」などと短絡的な見出しをつけているが、被害者が92歳の老女で、他人の介護に頼らざるを得なかった状況、そして同居人であり介護人(犯人)の精神疾患を考えると、社会のひずみで起きた悲劇と言わざるを得ないだろう。

運転免許は「特権」
万人の権利に非ず

ブルックリンのパークスロープで3月5日、44歳の女性が運転する車が幼児2人を撥ね死亡させた。運転していた女性は、信号無視の常習犯。しかも、多発性硬化症(神経障害を伴う難病)を患っており、癲癇(てんかん)も起こしていたという。
ブルックリン選出のロバート・キャロル議員はこれを「予防できた事故」とし、今後は免停条件を厳しくするとともに、こうした患者について、医師は州DMV(Department of Motor Vehicle)に報告義務があるとする新法案を提出した。
現法では医師は、こうした患者についてDMVへの報告が「奨励」されているに過ぎない。「運転は人に与えられた特権であり、権利ではない」と新法案の支持者らは主張している。



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