2020年4月3日号 Vol.371

こんな時も詐欺横行
FBIが警告

やっぱり、と思わざるをえないところが嘆かわしいが、コロナウイルスに怯える人々の心理をついた詐欺が横行しているのでご用心。米連邦捜査局(FBI)が国民に警戒するよう呼び掛けている。ほんっとに、どんな奴らがこんなことをするのか、一度ツラでも見たいものだ。
まず、あたかも世界保健機関(WHO)のディレクターや、米疾病予防管理センター(CDC)から発信されたかの如くEメールが届いたら、開かずに破棄すること。
こういうメールには「Coronavirus Disease(Covid- 19) CURE.exe」というファイルが添付されており、開いたら最後、新型ホークアイというマルウエアがコンピューターにインストールされ、ウイルス感染したコンピューター内の個人情報などが盗まれるという仕組みだ。メールの内容は、コロナウイルスの治療薬についての情報で、もちろん内容はでたらめ。
次に、連邦政府からの援助金小切手を受け取るための登録や、申請のために、ソーシャルセキュリティー番号や銀行口座、クレジットカード番号などの提示を求めるEメール。こういうのを「Phishing」詐欺といい、個人情報を盗んで銀行口座から金を盗んだり、クレジットカードを悪用したりする連中が背後にいる。
納税者への経済援助案が国会で決議され、施行準備が進められているが、政府が個人に向けてEメールでリーチアウトすることは絶対にないとFBI。この手の電話詐欺もあるかもしれないので、注意を。IRSも含め、「政府が市民に直接電話をかけることはない」という事実は頭に叩き込んでおきたい。
そのほか、いかにも公的な団体を装ったパンデミック関連の寄付や、エアラインからのリファンド、ワクチンや治療薬情報を「エサ」に、個人情報や寄付を求めるEメールは全部詐欺と思っていい。
コロナウイルスの検査キットや治療薬、N95レスピレーターマスク、フルフェイスシールドなどを販売する詐欺も。Eメールやウェブサイトを通してだけでなく、家を回って売り歩くという暇な連中もいるという。
詳しくは、FBIサイバーセキュリティー課警告HP(下記)で。
www.ic3.gov/media/2020/200320.aspx

エッセンシャル産業
酒屋が大繁盛!

ニューヨーク州が「エッセンシャル・ビジネス」以外の従事者を含め、全州民に対して自宅退避命令を出した。じゃあエッセンシャル・ビジネスとはなんなのかだが、医療機関や警察・消防はもちろん、スーパーマーケットやコインランドリーといった日常生活と切っても切り離せない産業を言う。
そのリストは意外に長いのだが、その中に「酒屋」が入っている。これにはびっくりしたが、「じゃあ酒屋が閉まったらどうなるか」と考えたとき、禁酒法時代の混乱の再来という事態にもなりかねないことに思い至った。
そして、このコロナ危機で国中が麻痺する中にあって、ファーマシーと並んでブームともいえる繁盛ぶりを見せているのが酒屋だというから、こういう事態にあって、なんとなくいい話題だなと思ったので、読者とシェアしようかなと思った。
ケーブルニュースのNY1が伝えたところでは、マンハッタンのアスターワインなどてんてこ舞いしているようだ。うちの近所(クイーンズ区キューガーデンズ)の小さな酒屋は、どう見てもてんてこ舞いには見えないが、毎日普通に開けており、平常心を取り戻すにはいい場所になっている。

医療現場で資源不足
ここに極まれり

病院が足りない、医師が足りない、看護師が足りない、医療器具が足りないと、ないない尽くしのニューヨーク州の医療現場。毎日クオモ知事が「Send us ventilators!」と訴えている。
26日には、マウントサイナイ病院の看護師らが、黒いゴミ袋を来て医療現場で働いている写真が、市内のタブロイド紙や、テレビのニュースで紹介された。資源不足もここまで来たか。NYポストなどは「Treated Like Trash(ゴミのように扱われてる)」と、ジョークのごとくのヘッドライン。ゴミ袋ブランド「Hefty」の箱を持って撮影に応じた看護師さんたちは、どんな気持ちでいるんだろう。



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