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Vol.212:2013年8月16日号
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 よみタイムについて
河野洋: 名古屋市生まれ。12歳でロックに目覚め、ギター、バンド活動を始める。89年米国横断、欧州縦断のひとり旅の後、92年NYに移住。03年ソロアルバムのリリースと同時にレコード会社、Mar Creation, Inc.を設立。現在は会社では、アーティストマネジメント、PR、音楽、映像制作などエンターテイメントに関連するサービスを提供するかたわら、「NY Japan CineFest」「j-Summit New York」などのイベントをプロデュース。その他にも、エイズ、3.11震災後の日本復興に関わるチャリティイベントや、平和、社会、環境問題などをテーマにしたプロジェクトにも積極的に取組んでいる。
ウェブサイト : www.marcreation.com / メール: contact@marcreation.com
「オンガク喫茶」のこぼれ話はブログ「ゼロからのレコードレーベル」

よみタイムVol.212 2013年8月16日発行号

ロックバンド「マザー・フェザー」
欲するのは心からの音楽
「灰の中から不死鳥が舞い上がったのよ」



(左から) Gunnar Olsen (drums), Matt Basile (bass), Ann Courtney (vo), Elizabeth Carena (key/vo), Chris Foley (guitar)


photo by Shervin Lainez

 2009年暮れ、憂鬱な日々に悶々としていたアン・コートニー(ボーカル)は、突然ロックバンド、マザー・フェザー(以下、MF)の結成を思い立った。
 「この思いが私のブルースに火をつけた。灰の中から不死鳥が舞い上がったのよ」
 アンの言葉は、いささか大袈裟に響くかもしれないが、シアトリカルな演出に加え、エネルギッシュなパフォーマンス、エンターテイメント性溢れるMFのステージを見れば、決してこけおどしでないことが判るだろう。
 アンと対を成し、オーディエンスの目を奪うのがエリザベス・カリーナ(キーボード、ボーカル)だ。時に同性愛者のように見つめ、絡み合う、時にはクローン人間のようにシンクロした動きを見せる。二人の掛け合いはMFの大きな魅力だ。
 この双子のような紅二点をバックで支えるのが、マット・バシール(ベース)、クリス・フォーリー(ギター)、そして、ガナー・オルセン(ドラム)の男三人衆。サウンドは至ってシンプルなロックだが、この彼らのタイトでドライブ感溢れる演奏に、キャッチーなサビのリフレインを聞けば、MFの猛毒の餌食となる。
 「私たちの音楽レシピーは、覚えやすいフック、歯切れ良いギター・リフ、タイトなビート、ハート、そして何よりも緊迫感ね。私自身が欲しているのは、拳を突き上げ、腰がクネクネ踊りたくなるような心からの音楽なのよ」

 昨年リリースされたデビューEPに収録されたテーマ曲「マザー・フェザー」でアンは痛烈に歌う。
 「コンクリートの割れ目が望み/愛はあなたの素足に刺さるガラス〜今しかないのよ/立ち上がり、あなたのマザー・フェザーに目を向ける/黙って、泣くのをやめるの/マザー・フェザーの不死鳥が舞い上がる!」
 MFは、想像を絶するひらめきを具現化してくれる、いわばオーディエンスにとってロックの権化と言える。
 ライブでは、映画「ロッキーホラーショー」のワンシーンから飛び出したかのような、カラフル且つ挑発的な衣装に身をまとうアンとエリザベスが、キッスのジーン・シモンズを彷彿させるメイクから鋭い眼光を光らせ、オーディエンスを激しく煽る。しびれる。MFのポップでロックな音の洪水が、計算された振付けと、抑え切れない感情をむき出しにしたアクションと共にステージから流れ出す。
 MFには音楽、ライブ、イメージ、全てに置いて一貫性を感じる。彼女たちの緻密な計算とアプローチは、漫画やアニメなど日本のポップカルチャーにも通じるものがある。
 「 そうなの、私、日本のストリート・ファッションには愛と敬意を持っているわ。特にカワイイ(ファッション)とサンリオ(キティ)にはゾッコンね」とアンは目を輝かせる。

 「私たちのライブに来れば、あなたのインスピレーションは爆発し、MFの音楽と共に浄化される。そんな楽しい世界がたっぷりと体験できるわ。怖がらないで、 まずは会場に来てね。ショーの後は、きっと新しい自分、マザー・フェザーの一人になっているはずだから」とよみタイムの読者にもラブコールを送ってくれたアン。
 マーク・ボラン(T・REX)の華麗さと、ニューヨークドールズの性急さを兼ね備えたアン・コートニー。彼女の背中に刻まれたMFが羽を広げる瞬間を、マザー・フェザーのライブで確認してほしい。
(河野洋)

Mother Feather
■8月22日(木)開場7:30pm/開演8:30pm
■会場:The Bowery Ballroom:6 Delancy St.
 Tel: 212-533-2111
■$12
■年齢制限:18歳以上
www.boweryballroom.com
■出演:Mother Feather, The Sweater Songs(ヘッドライナー), Casey Shea