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Vol.220:2013年12月20日号
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 よみタイムについて
河野洋: 名古屋市生まれ。12歳でロックに目覚め、ギター、バンド活動を始める。89年米国横断、欧州縦断のひとり旅の後、92年NYに移住。03年ソロアルバムのリリースと同時にレコード会社、Mar Creation, Inc.を設立。現在は会社では、アーティストマネジメント、PR、音楽、映像制作などエンターテイメントに関連するサービスを提供するかたわら、「NY Japan CineFest」「j-Summit New York」などのイベントをプロデュース。その他にも、エイズ、3.11震災後の日本復興に関わるチャリティイベントや、平和、社会、環境問題などをテーマにしたプロジェクトにも積極的に取組んでいる。
ウェブサイト : www.marcreation.com / メール: contact@marcreation.com
「オンガク喫茶」のこぼれ話はブログ「ゼロからのレコードレーベル」

よみタイムVol.220 2013年12月20日発行号

音楽で海を、国境を超える!
3大コンサートクルーズ



 音楽は国境を越え、海を越え、世界を結ぶ。憧れのバンドが一挙に集結し、ライブを見ながら、ロックスターたちと航海に出る。
 そんなファンの夢を乗せた海のドリーム号が、2014年の春、3度に渡ってマイアミから出航する。
 巨大客船「MSCディヴィーナ」は、全長約333・3メートル、18のデッキ、キャビン1751、収容数3959。レストラン、バーはもちろんのこと、屋内外プール4つ、フィットネス、サウナ、カジノがある。
 ライブ音楽は、1603席が用意された豪華シアターをはじめ、プール、ラウンジなど複数のステージが用意されている。


Loudness

The Winery Dogs

CINDERELLA

ヘヴィメタ炸裂!
モンスター・ロック

 3大コンサート・クルーズの先陣を切るのが、ヘヴィメタルに特化する「モンスターズ・オブ・ロック・クルーズ(MORC)」だ。3クルーズでは一番古く2012年にスタート、今回が3回目となる。
 名前の由来は、1980年メタル・フェスティバルのメッカとも言える英国ドニントン・パークで開催された「モンスターズ・オブ・ロック(MOR)」で、2013年3月に開催された第2回には、元祖MORにも出演したイギリスのサクソン、ロンドン・クワイアボーイズも招かれた。
 今回のラインアップには、80年代のLAメタルで名を轟かせたラットをはじめ、シンデレラ、クワイエット・ライオット、ウィンガー、Y&T、さらには元オジー・オズボーンのギタリスト、ジェイク・E・リー率いる新バンド、レッド・ドラゴン・カーテル、ミスター・ビッグ(Mr. BIG)でお馴染みのビリー・シーハン、リッチー・コッツェンが結成したザ・ワイナリー・ドッグス、ファン投票でも人気が高いテスラ、更には日本から第2回MORCに参加したラウドネスなど、実に30バンド以上が名を連ねる。
 どのバンドも約60分のショーが2回、メンバーと対面できる「ミート&グリート」があるため、お気に入りのスターたちをくまなくチェックできるようになっている。食事をしたら、有名スターが隣のテーブルに座っていた、なんてサプライズもあったりするからたまらない。
 MORCの乗客は65%が女性で、年齢層は30代が中心。
 船は3月29日マイアミ港を出て、ナッソー(バハマ諸島)、モンスター・アイランドを巡る。

70年代にタイムスリップ!
ムーディー・ブルース

 MORCが終わると、同じ船に「ザ・ムーディー・ブルース・クルーズ(MBC)」というクラシック・ロックのメンツが乗り込む。
 クルーズ名からもわかるように、トリは1967年にデビューしたムーディー・ブルースだが、彼らを囲む他のメンツも70年代にタイムスリップしたかのようなバンドが勢揃いする。
 ザ・ゾンビーズ、EL&Pのカール・パーマー、スターシップ、リトル・リヴァー・バンド、中でも極めつけはザ・フーのリードシンガー、ロジャー・ダルトリーだろう。
 MBCは来年で2回目の開催となるが、年齢層は50歳代が多く、男女の比率はカップルが多いため半々。
 船はナッソー(バハマ諸島)〜グランド・ターク島(タークス・カイコス諸島)を周り、帰路を辿る。


ELECTRIC ASTURIAS

プログレ集結!
クルーズ・エッジ

 3つ目のクルーズが、今年から加わった「クルース・トゥ・ジ・エッジ(CTTE)」である。タイトルは言うまでもなく、プログレッシブ・ロックの王道を行くイエスの代表作「危機(Close To The Edge)」を捩ったものだ。
 出演者は、そのイエスは勿論のこと、根強いファンを持つスティーブ・ハケット(ジェネシス)、他には、イギリスから、マリリオン、UK、ルネッサンス、ドイツのタンジェリン・ドリーム、カナダのサーガ、イタリアのPFM、日本からはエレクトリック・アストゥーリアス(EA)と世界各国のプログレ・バンドを集合する。
 今回が初出演となるEA。年明けにはニューアルバムのレコーディングに入るというリーダー大山曜は、「今まで色々なフェスに参加していますが、思いもしなかった素晴らしいアイデアだと思います。ファンとしてはタンジェリン・ドリームが見たい」と、憧れの先輩バンドと一緒に乗船できると、早くも興奮している。
 CTTEの航路は、フロリダを出て、ロアタン島(ホンジュラス)、コスメル(メキシコ)にて朝から夕方まで停泊し、他のクルーズ同様、ライブのみならず、トロピカルなビーチ、ショッピングも楽しめるようになっている。音楽ジャンルから男性の参加者が多いというが年齢層は幅広く、若年層も増えて来ていると言う。

 この3大クルーズは「オン・ザ・ブルー(ON THE BLUE)」という会社が運営している。経営者のラリー・モランドは学生時代にMORにも出演した故ロニー・ジェイムス・ディオのマネジメント会社から音楽業界に入った。その後、ラウドネスを含め様々なバンドのツアー、アーティスト・マネジメントでキャリアを積んだと言う。
 ラリーのパートナーは他に3人いる。35年間クルージンング産業の一線で仕事をしてきたマイク・ロンドン、ラリー同様、マネジメント業、イベント・プロダクションのエキスパート、アラン・コーニッグ、そして、照明、音響などステージ・プロダクションの専門、ビル・ディーバーズだ。

 各分野の専門家たち4人が運営する夢のロック・クルーズ。2015年には、もう一つクルーズを増やし、欧州への進出も視野に入れていると言う。
 ロック・フェスティバルと豪華クルーズが一体化した夢のビッグイベント。ライブミュージック満載の優雅な海の旅を是非とも一度は体験してほしい!
(河野洋)

The Monsters of Rock Cruise
■2014年3月29日(土)〜4月2日(水)
■出港地:フロリダ州マイアミ
■行程:ナッソー(バハマ諸島)→モンスター・アイランド
■料金:$600(4人部屋)から)
monstersofrockcruise.com
●出演アーティスト:テスラ、ラット、シンデレラ、キックス、ウィンガー、
Y&T、ファイヤーハウス、スローター、ザ・ワイナリー・ドッグス、
グレートホワイト、ラウドネス、他

The Moody Blues Cruise
■2014年4月2日(水)〜4月7日(月)
■出港地:フロリダ州マイアミ
■行程:ナッソー(バハマ諸島)→グランド・ターク島(タークス・カイコス諸島)
■料金:$650(4人部屋)から)
moodiescruise.com
●出演アーティスト:ムーディー・ブルース、ザ・ゾンビーズ、
ロジャー・ダルトリー(ザ・フー)、カール・パーマー(元EL&P)、
スターシップ、リトル・リヴァー・バンド、他

Cruse to the Edge
■2014年4月7日(月)〜4月12日(土)
■出港地:フロリダ州マイアミ
■行程:ロアタン島(ホンジュラス)→コスメル(メキシコ)
■料金:$550(4人部屋)から)
cruisetotheedge.com
●出演アーティスト: イエス、マリリオン、UK、クイーンズライク、
タンジェリン・ドリーム、PFM、スティーブ・ハケット(ジェネシス)、
ルネッサンス、サーガ、エレクトリック・アストゥーリアス、他