2018年10月19日号 Vol.336

アメリカで日本を発見する映画祭
「第1回ニッポン・アメリカ・ディスカバリー・フィルム・フェスティバル(NADf2)」
「知られざる日本」テーマに5作品

まっ白な闇
まっ白の闇

凍蝶圖鑑
凍蝶圖鑑

ハーフ
ハーフ

草間
≒草間彌生 わたし大好き Photo ©2008 B.B.B.Inc ©YAYOI KUSAMA

デンサン
デンサン



「知られざる日本」をアメリカで紹介することを目的とした映画祭「第1回ニッポン・アメリカ・ディスカバリー・フィルム・フェスティバル(NADf2)」(共催:マークリエーション、よみタイム、RH+)が、11月16日(金)と17日(土)の2日間に渡り、イーストビレッジの「アンソロジー・フィルム・アーカイブズ」で開催される。ドキュメンタリー、または実在の人物や出来事をテーマにした作品を選出。ハリウッド映画のような華々しさは無いものの、日本人の精神性、姿勢、文化はもとより、カルト的な側面など「ステレオタイプではない日本・日本人」を紹介。ショービジネスの中心ニューヨークで、アメリカ人だけでなく、日本人にとっても「新発見」となる作品群。

16日の上映は2本。
オープニングを飾るのは、「依存症」をテーマにした「まっ白の闇」(内谷正文監督・2017年)。監督自らが体験した「薬物地獄」の恐ろしさを見せると同時に、人間関係の希薄な現代社会に蔓延する「依存症」という病気についての理解を広げようと試みる。第9回日本芸術センター映像グランプリ受賞作。

もうひとつは一般的な常識から逸脱した人々を、真正面から捉えた衝撃のドキュメタリー「凍蝶(いてちょう)圖鑑」(田中幸夫監督・2014年)。LGBT、緊縛、異性装、身体改造を追求した妖かしの人間図鑑。パリで上映された際に熱狂的な支持を受けたR-18指定、禁断の問題作。
共にニューヨーク・プレミア作品。

17日の上映は3本。
日本人と非日本人の間に生まれたハーフをテーマにした「ハーフ」(西倉めぐみ/高木ララ・2013年)。単一民族であった日本は、時代と共に多様化。日本国内だけでなく、海外生まれの「ハーフ」も多く存在している。「ハーフ」であるということは、どういうことか。日本人であるという意味とは。映画では5人の「ハーフ」たちの体験を追う。彼らの個人的かつ奥深い側面を垣間見ることで、日本人の姿も見えてくる。

日本が世界に誇るアーティストの一人、草間彌生を1年半に渡って追ったドキュメンタリー「≒(ニアイコール)草間彌生わたし大好き」(松本貴子監督・2008年)。今から10年前、草間が手掛けた「愛はとこしえ」シリーズ50作品が完成するその貴重な瞬間に密着する。

クロージングは、伝統産業を略したタイトル「デンサン」(金森正晃監督・2017年)。舞台は、高岡鋳物発祥の地である富山県高岡市。12代続く鋳物工場で働いている主人公が、伝統を受け継ぎながらも、革新的な作品を作りだそうと仲間と共に奮闘する。地元出身の金森監督を中心に、多くの街の人々が協力、一丸となって完成させた作品。主演はキングコングの西野亮廣。ニューヨーク・プレミア作品。当日は金森監督が来場、舞台挨拶と質疑応答が予定されている。

前売りチケットは10月30日から発売開始。詳細はオフィシャルサイトで。

11月16日(金)6:00pm〜11:00pm
・まっ白の闇
・凍蝶圖鑑

11月17日(土)3:00pm〜11:00pm
・ハーフ
・≒草間彌生 わたし大好き
・デンサン ※クロージング

会場:Anthology Film Archives
Courthouse Theater
32 2nd Avenue
anthologyfilmarchives.org

料金:$10(1作品)
割引:NAD3 $25(3作品)、NAD5 $40(5作品)
※前売りチケットは10月30日から発売開始
問合せ:917-400-9362 (Cell/Text)
詳細(日本語)
www.nadf2.com/japanese


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