2021年5月14日号 Vol.397

文:佐々木香奈(猫グルーマー)
NCGIA (National Cat Groomers Institute of America) member

猫のDNA検査、病気の遺伝子もわかる!

ペットのDNA検査について興味がある飼い主は多いと思う。カリフォルニア州にあるBasePaws (https://basepaws.com) というラボで、愛猫ルフィー(11歳のメス猫)のDNA検査を受けてみた。検査キットは3種類あって、基本的な「ブリード+ヘルスDNA検査」を選択。1匹で129ドル、2匹で240ドル、3匹で330ドル、4匹で420ドルと、数が増えるとだんだん割安になる。

この検査で何が分かるかというと、雑種の場合、どんな種類の猫種がどのくらい入っているかと、主な病気の遺伝子の有無。ブリードは興味がある程度だが、病気の遺伝子の有無は健康管理をする上で有益な情報となる。

気になっていた病気は、Polycystic Kidney Disease(PKD=多発性嚢胞腎疾患)とHypertrophic Cardiomyopathy(HCM=肥大型心筋症)。その他、目の病気やメタボ系の病気など20種類以上の遺伝子の有無が分かる。検査の結果、ルフィーは全部ネガティブ。つまり、これらの病気の遺伝子は持っていないことがわかり、ほっと胸を撫で下ろした。一つでも陽性があれば獣医さんと相談し、将来的な健康管理の計画を立て、発病を防ぐことができるかもしれない。



ブリードに関しては興味があった程度なので、限りなくアバウトな結論にも納得。検査結果には「確実度」みたいなスケールが、低い順からmaybe、possible、probable、likely、confidentの5段階あり、maybe程度ならルフィーは24%がメインクーンだ。次いで西洋系の猫種がズラリ(サイベリアン、アメリカンショートヘア、アビシニアン、ロシアンブルー、ノルウェージャンフォレストキャット、ターキッシュヴァン、ラグドール、ターキッシュアンゴラ)。もしかしたらベンガルまで入っている可能性も示してあった。

キットが箱に入って郵便で送られて来る。ラボのサイトでキットを登録してから、歯茎の周りをスワブして、送られてきた箱に入れて送り返す(送料無料)。1ヵ月くらいで結果がわかる。

ただこれも、スケールをconfidentまで移動すると、メインクーン率が6%に下がり、ベンガルやロシアンブルー、ターキッシュヴァン、ラグドール、ターキッシュアンゴラあたりは消えていた。最も%が高かったのが「西洋系のブリード」というチョー大雑把な分類で、45%。でもまあ、いわゆるフォレスト系(メインクーン、サイベリアン、ノルウェージャンフォレストキャット)長毛種のDNAが最も多いってことで、「やっぱりうちのルフィーはゴージャス」と満足した次第だ。

79ドルで、歯と歯茎の病気の遺伝子の有無も調べられるので、今ちょっと、かなり迷っているところだ。

4歳以上の猫の50〜90%が歯・歯茎の病気になる(Cornel Feline Health Center調べ)。BasePawsのアンケートによると、毎日猫の歯磨きをしている飼い主は全体の16%。30%がデンタルトイ他使用。64%が予防策ゼロ!

Kana S. Cat Grooming
kanacatgrooming@gmail.com
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