2021年7月23日号 Vol.402

文:佐々木香奈(猫グルーマー)
NCGIA (National Cat Groomers Institute of America) member

キャットリッター考(その2)

どのキャットリッターがいいのか、素材は? リッターボックスはオープンタイプか、カバーつきか。どこに置くべきか。大きさは? ――絶対的な正解はないので、ここではジャクソン・ギャラクシー(アニマル・プラネットの猫ウィスパラー)が、自身の著書「Total Cat Mojo」で解説する内容を参考にしたためてみる。

まず、一般的に猫が好むリッターの「質感」は、サラサラの砂状だそうだ。踏み心地が良く、猫の肉球にも優しい。猫の本能はdirt(土や泥)の中に排泄することで、サラサラタイプが最もそれに近いのだという。でも、このタイプはそこら中にリッターが散らばるという、飼い主的デメリットもある。





ちなみに筆者のうちは、ギャラクシーが勧めない「大きめのペレット」タイプ。これは肉球に優しくないそうで…。実際、ペレットタイプを嫌う猫もいる。ただ、動物病院などでの手術後の使用には向いていると思う。うちの猫たちは一様にこのタイプを問題なく使う。しかもダスト(粉塵)が少なく散らばらない。排泄後も毛に埃がつかないので、猫が無駄な毛繕いをして余分に埃や毛を飲み込まなくて済む。毛玉問題を抱えるうちのルフィーには最適だと判断した。尿とウンチの匂いもほぼ100%シャットアウトし、掃除も簡単。

最近はリッターの素材もよりどりみどりだ。ヒノキ、とうもろこし、ウィート、リサイクルペーパーと実に種類が多い。尿の成分で色が変わるものまである。素材の良し悪しを語り出したらキリがないので、ひとつだけ言うなら、「絶対にunscented(無香料)のものを選ぶこと」とギャラクシー。「香料は、メーカーによる飼い主目線の販促戦略。猫は匂いに敏感なので、香料は厳禁」ということだ。ボックスの近くに、デオドライザーみたいなものを置くのも当然だめ。

うちの2個目のリッターボックスはクロゼットの中。飼い主の都合で、ドアに穴を空けるという小細工をしたところ、ルフィー(うちの猫)にはちょっと不評…。

リッターボックスは大きいものを。最低でも猫の体長の1.5倍の奥行きがあること。オープンタイプかカバー付きかだが、ギャラクシーは「オープンタイプを使いなさい」と言う。カバーそのものが汚くなるので不衛生だからという理由だ。それに、ほとんどの猫は、実はカバーを好まないそうだ。

置く場所も、人間の都合でバスルームに限定せず、猫が好む場所を模索して置き場所を決めること。ボックスにリッターを入れすぎるのも×。深さ1、2インチ程度で十分だ。

あと、掃除を簡単にしようとして、ビニールの中敷き(ライナー)を使うのも×。猫はライナーの感触を嫌い、引っ掻いて逆に汚いことになるそうだ。要は、飼い主は横着するなってこと。1日最低1回はリッターボックスを掃除し、月1回は熱いお湯で洗う。猫を飼うならこのくらいしなさいと、ギャラクシーは力説する。

ほとんどの雄猫は左利きで、雌猫は右利きだと言われる。と言っても絶対ではないし、猫によっては両手利きもいる。お手(猫もできます)をどっちでするか、どっちの手でオモチャをこづくかなど、観察してみよう。

Kana S. Cat Grooming
kanacatgrooming@gmail.com
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