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よみタイムVol.145 2010年11月5日発行
号掲載

MADの楽しみ方
コロンバス・サークルの新名所



コロンバス・サークルの南側に立つMAD美術館

「MAD」の愛称で知られる「アート&デザイン美術館」(Museum of Arts and Design)。08年秋に再オープンしたこの美術館、展示面積5万4千スクエア・フィートと、こじんまりした建物ながら「コロンバス・サークル」円形交差点の南側に位置し、近隣のタイムワーナー・ビルディング、トランプ・ホテルなどと共に、コロンバス・サークルの新たな顔となっている。MADの魅力を同館の展示・企画委員も務める海老原嘉子さん(デザイン・アーティスト)に案内して頂いた。
文/構成:塩田眞実
監修/写真:海老原嘉子



すっきりした展示スペース

1階入り口わきのギフト・ショップ
MADの歴史

アメリカ・クラフト界の最大の後援者アイリーン・オズボーン・ウエブが組織した「アメリカン・クラフトマン・カウンシル」が中心となって、56年に創設された「コンテンポラリー・クラフト美術館」( The Museum of Contemporary Crafts)が母体。初めは工業製品の普及で失われていくアメリカのクラフト再評価運動、保存、研究をおもな使命とした。86年、53丁目のMoMA(近代美術館)向かいに移転。2000年に名称を「Museum of Arts & Design」と改称。国内ばかりでなく世界にも目を向け、工芸、美術、建築、インテリア、ファッション、ニュー・テ クノロジー、デザイン、パフォーミングアートまでを研究対象として文字通り「現代」工芸美術に特化した独自の路線を展開している。

館内の特徴

建物はアメリカ人建築家ブラッド・クロウフィルの設計で地上10階建て。ドイツで製作されオランダで色づけされたセラミック・タイルで被われ、繊細な乳白色のグラデーションで彩られた外観は光線によって色を変え、国際的なクラフト専門美術館にふさわしい存在感を漂わせている。
 作品展覧スペースは2階から5階まで。特に4、5階は、年に2回ほどの企画展にあてられ、世界中のユニークで機能的、アイデアに溢れた意欲的なクラフト作品が展示されている。昨秋の「紙」をテーマにした展覧会は大きな反響を呼んだ。 今年の10月末で終了した「Dead or Alive展」も話題となり、10月12日から始まったばかりの「ニュー・ラテン・アメリカン・ジュエリー展」(2月27日まで)、11月9日から2月6日まで開催されるフランスのデザイナー、パトリック・ジュアンの「デザイン&ジェスチャー展」、さらに11月17日から始まる「グローバル・アフリカ・プロジェクト展」も注目を集めている。
 一方、1階入口を入るとすぐ右手に人気急上昇中のギフトショプがある。すっきりしたデザインと明るい売り場、MADならではの厳選されたギフト商品が並ぶ。サンクスギビングやクリスマスを控え、ホリデーシーズン中に是非覗いてみたいショッピング・スポットのひとつだ。

龍退治の騎士、素材は全て紙

素材はすべて骨!(dead or alive 展より)

ワークショップ・フロア

MADの大きな特徴のひとつに、ワークショップ・ルームだけを集めた特別フロアがある。6階に上がると、ガラス張りの工房で、製作中のアーティストの制作過程が実際に見学できる。プログラムによっては制作に参加することもできる。ちなみに海老原嘉子さんが所属する「女子美大同窓グループ」も、MADのエデュケーション・プログラムの一貫として、時々ワークショップでクラフトの実地指導をしている。昨年のホリデー・シーズンには「個性を伝えるギフト包装入門」「自分で作るグリーティング・カード制作入門」の講習を実施、参加希望者が殺到して長い行列ができた。こうした入館者参加型イベントもMADの大きな魅力の一つとなっている。

 

レストラン「ロバート」

9階にあるレストラン「ロバート」は、何よりも眺望の良さが売り物。右手に広々としたセントラルパーク、眼下にはコロンバス・サークルが広がり、視線の先にはセントラル・パーク・ウエストとブロードウエイが幾何学模様のように枝分れして北に伸びているのが一望できる。
 値段もリーズナブルでお勧めの新名所だ。時間によってはコーヒーだけでもOK。
Eat & Drink Art Design展
2011年3月27日(日)まで



緒方慎一郎デザインの「ワサラ」
MADのパーマネント・コレクションから「食卓アート」約60点が展示中だ。専門家の海老原嘉子さんが解説する。
 「テーブル、プレート、カップ、ティーセット、シルバー・ウェアなど、MAD初期の、豪華でエレガントな食器やゴブレットのコレクションから最近のアメリカの食卓、コンテンポラリーな作品までが展示されています。バラエティーに富んだ作品群で、時代の変化、様式の変化もみる事ができて面白いですよ」。
「実生活で使える作品として、今回コレクションに加えられた緒方慎一郎デザインの『ワサラ』は、素材が従来の木のパルプ使用の紙ではなく、葦と竹、バガス(サトウキビ)など、土に帰る素材でできた使い捨てテーブルウェアなんです。最近アメリカのパーティーでも、人気が出てきましたね。ほかにも藤岡恒行デザインの竹製のテーブルマナーセットが展示されています。竹が素材なので環境問題を配慮した作品として選ばれているのでしょう」。

Museum of Arts and Design
2 Columbus Circle,
New York, NY 10019
212-299-7777
www.madmuseum.org
火〜日11:00am〜6:00pm
木11:00am〜9:00pm
月/祝日休館


ミュージアム・ストアー
営業時間
月〜土10:00am〜7:00pm
木10:00am〜9:00pm
日10:00am〜6:00pm