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よみタイムVol.105 2009年1月23日号掲載
 

スタッフと打ち合わせする吉岡(右)
ウエディングドレスデザイナード 吉岡順子

ハリウッド女優をも魅了
次世代へ引き継がれるドレスを


昨年秋のショーから。シンプルなデザインが特徴

 「JUNKO YOSHIOKA」と言えば、多くのハリウッド女優をも魅了するウエディングドレス・ブランドだ。ジェシカ・アルバ、ヘレン・ハント、キャサリン・ヘイゲルなど多くの著名人のウエディングや、レッドカーペット・イベントのドレスを手がけた。
 しかし「セレブ御用達デザイナー」などというステータスには興味がない。ウエディングドレスをデザインし、作るという一連の作業に、誇りと喜びを感じているだけ。
 「ウエディングドレスを着るのは1回だけですが、そのドレスが次の世代へと引き継がれるのがアメリカの伝統」という。 
 「人生の一つの区切りの場面を飾るアートです。そういった価値が与えられるウエディングドレスを作るのは、意味のある仕事だと思っています」。
 ひとつのドレスをひとりの縫い子が全て縫う。スタジオには、彼女が発掘し、育てた7人の縫い子がいるだけ。
 量産など到底無理な分、値段も安くはない。1着の値段が平均4000〜5000ドル。何世代にもわたって着継がれることのできる、シンプルでエレガントなデザインに加え、生地と縫製の質ともに最高峰を目指している。

 名古屋出身。名古屋モード学園を卒業すると、日本のアパレルメーカーに就職し、デザイナーとして3年間、イタリアのブランドを多く手がけた。その縁もあって、多くのデザイナーがパリを目指していた94年、イタリアのデザイン学校に留学する。1年のプログラムを7か月で修了すると、「何百通と履歴書を送って」、ミラノで職を見つける。
 「ワールド・イタリーというプロダクションにかかわって、デザインだけでなくパターンナーや工場探しなど、ブランドを立ち上げるノウハウをこの時に学びました」。
 約5年が過ぎたころ、「ヨーロッパは閉鎖的で、新しいものを受け入れられない土壌がある」と感じるようになる。自分のビジネスを展開する舞台として、ニューヨークは常に頭にあった。
 一度帰国し、名古屋モード学園での講師の仕事に就き、1年間実家から通いながら資金を貯めてから、00年にニューヨークに。最初はFIT(ファッション工科大学)でパターンやドレーピングを教え、インターンデザイナーとしてイブニングドレスを手がけていた。
 「JUNKO YOSHIOKA」を立ち上げたのは03年だ。デザイナーとして、ウエディングドレスを専門に手がけるようになったのは、01年自分の結婚式のドレスをデザインしたのがきっかけだった。
 「いろいろ雑誌を見たんですが、全部プリンセスみたいなドレスばかりで、そんなのを着たくなかったんです」。自分のためにデザインしたのは、シンプルなAラインのドレスだった。

 毎年4月と10月に、新作発表のファッションショーを開き、ソーホーのスタジオ/ショールームのほかに、サックス・フィフスアベニューでも小売展開する。これまでデザイナーとして成長するだけでなく、自分のブランド/会社の社長として、社員を教育し、育てることも学んできた。まだまだ吉岡の挑戦は始まったばかりだ。