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 よみタイムについて
   

よみタイムVol.137 2010年5月21日号掲載
 
ダンサー・振付師 今泉レベッカ小百合
日舞とヒップホップと
日米ふたつの文化使い分ける

 世界の伝統舞踊を紹介する公演「House of Healing-癒しの家」が5月2日(日)ハンターカレッジで開催された。舞台ではインド舞踊、プエルトリコのボンバ・イ・プレナ舞踊、軽やか生の太鼓演奏にのるダイナミックなアフリカンダンス、日本舞踊「市藤会」グループによる情感たっぷりな踊りも披露されるなど国際色豊かな舞踊が次々と繰り広げられた。
 この伝統ある異文化交流の公演を企画し、プロデューサー、ディレクターを兼務したのが自ら日本舞踊を舞ったハンターの学生でダンサーの今泉レベッカ小百合さんだ。
 この日の公演では日本舞踊を舞ったが、「本業」は現役のヒップホップダンサーで振付師。
 ヒップホップ修行のために7年前ニューヨークへ。現在ハーレムの子どもたちにヒップホップダンスを教えている。
 ダンスに目覚めたのは14歳の時。学校のみんなと行った野外活動で友達と一生懸命練習してTRFの「オーバーナイト・センセーション」を披露した。「『ダンスうまいね』という周りの言葉に気をよくしてダンスにはまったんです」とはにかむ。
 やがてダンスの基本はバレエだと気づき、すぐにジャズ・ダンスとバレエを本格的に習い始める。約4年半、兵庫県尼崎のダンススタジオに通い、ダンスばかりでなく舞台作りや宣伝まで裏方の仕事も学んだ。関西学院大学に進んでからは仲間と「アロー」という女の子ばかり3人のチームを結成して活動開始。
 日本で一番大きな大会「ジャパン・ダンス・デライト」にも挑戦、2年目には「特別賞」を受賞、入賞したチームの中で女性だけというのは「アロー」だけだった。途端に県外からも仕事の依頼が舞い込むなど「もう嬉しくて嬉しくて」と当時を振り返る。
 「本場でもっとヒップホップを」の思いで大学を卒業するとニューヨークへ。すぐにダンススタジオのアシスタントを始め、ショーケースに出演するなど本場での武者修行を開始。ダンスを通じて出来る人間関係は家族のように心地よいものだった。しかし、ヒップホップの現場で今泉さんは、日本とは違う競争の激しさやアーチストの考え方などに次第に違和感を覚え始める。
 「でもヒップホップの踊り自体は大好き。アフリカンダンスをルーツに持つカルチャーにもずっと敬意を払ってきました。だから今はどうすれば自分のヒップホップダンスでポジティブなメッセージを伝えることができるかを考えているんです」。
 3年前に日本に帰国した時、オハイオ州出身で大の歌舞伎好きのアメリカ人の母親と一緒に歌舞伎座へ。「私は特に歌舞伎ファンじゃなかった。ところがその時は、ウワーッ凄い、と圧倒されたんです。目の演技や踊り方、すべてがカッコ良かった」「歌舞伎の役者はみな日本舞踊を習得していると聞いて、ああ私も日本舞踊がしたい、と初めて思ったんです」。
 表現方法は違っても根本にあるものは同じはず、習得すればきっと生かせる道があるに違いないと考えた。
 日本舞踊を踊る時とヒップホップを踊る時の切り替えスイッチはもちろん必要。けれども抽象的な思いをどれだけ表現できるか、それは自分の表現力しだいだ。
 身体表現の世界で揉まれているからこそ歌舞伎の所作に見えるものがあるに違いない。「ジャンルを超えてすべての踊りが好きなんです。インド舞踊にも強く魅かれます。知らないことを知るってワクワクするんですよ」。
 来月いよいよハンターを卒業。これからは全開モードでダンスと振付けに専念するという。あえて計画や目標は特に立てない。計画をたててしまうと固執して縛られてしまう恐れがあるからという。
 「チャンスに対してオープンでいたいんです」ときっぱり。日米ふたつの文化を血に受け継いでいる今泉さん、踊りの世界でも日米の架け橋となる日が近い。
(塩田眞実記者)

今泉レベッカ小百合ヒップホップ出演情報
The Faculty in Performance 2010
@Steps on Broadway:2121 Broadway
5月22日(土)・23日(日)8:00pm
チケット$15
Tel: 212-874-2410 (ext. 27)
info@stepsnyc.com
https://sites.google.com/site/rebeccasimaizumi/Home