2021年2月12日号 Vol.391

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表現の可能性を追求したい
中島 健一
アーティスト(絵画、彫刻、ビデオアート、パフォーマンスアート)

Kenichi Nakajima
宮城県出身

中島 健一さん

★アーティストになろうと思ったキッカケは?
幼少の頃から、絵を描くことや観ること、音楽も好きだったので、「いつかピカソかベートーベンになりたい!」と思っていました。中学生での将来の夢は「画家」。その頃には絵を描くことが最も楽しいことだったので、「自分はアーティストになる」と当然のように感じていました。

2020年制作の映像作品「Untitled」から

★影響を受けた人は?
子どもの頃は教科書に載っていたピカソやマティスでしたが、成長して多くのアーティストたちを知ったことで変化しました。Louise Bourgeois、William Kentridge、Mariana Abramovic、Richard Serra、Doris Salcedo、Grace Knowltonなど、カテゴリーや有名無名に拘わらず、たくさんのアーティストから影響を受けています。音楽なら坂本龍一やFennesz、Alva Notoなどの現代音楽家。彼らは私に「表現には無限に広がる可能性がある」ことを知らせてくれました。さらに、Grace KnowltonやLouise Bourgeoisは、おばあちゃんになってもずっとハードな彫刻制作を行っており、その姿勢に大変魅力を感じています。



★目標とする人は?
先に挙げた人物は皆、自身の芸術を思う存分追求しています。特にWilliam Kentridgeは、絵画、彫刻のみならず、舞台装置、映像、演劇にまで自らのステージを広げ、独自の芸術を作り上げています。彼の個展をメトロポリタンミュージアムで観た時、スケールの大きさ、圧倒的な世界観に驚いたと同時に、とても羨ましく思いました。私と彼とは表現方法が全く異なりますが、追求しているものは同じ「表現の可能性」。彼らのように思う存分、自らの芸術表現を追求したいですね。

映像作品「Letter」から

★これまでに印象に残っている(自身の)展示は?
BrooklynのCrown Heightsで行ったライブパフォーマンスアート。インスタレーションを制作し、音楽を作り、友人のアーティストにパフォーマーとして参加をお願いし、演出もしました。全てを自分一人で監督・制作した初の作品で、「自分の芸術を広げるのだ!」と、必死で準備。本番は、当時の自分に出来る精一杯のパフォーマンスを行いました。今、その映像を見返してみると、粗が目立ち、余分も多く、動きもぎこちない。もっとスッキリさせれば、より強い表現ができるのに…と多くの反省点が見つかります。しかし同時に、みっともない必死さの中に見える当時の私の「意地」が愛おしい。物事をクリアに見るために、私にはそんな経験が必要なのだろうなあ、と思っています。

映像作品「Sunday Afternoon」から


★どういうアーティストになりたい?
全ての物事を芸術作品にしてしまうような面白いアーティスト。ニューヨークのみならず、ヨーロッパやアジアなど、興味深い街やあらゆる自然の中で、どんどん身軽に活動していきたい。



★今後の予定は?
2020年12月30日から始まり、2021年7月31日まで開催中のオンライン展示会「THE RIGHT TO SILENCE?」(下記)で作品が展示されています。その他にも台北でパフォーマンスビデオ作品を展示する予定です(日程未定)。
"THE RIGHT TO SILENCE?"
Anya and Andrew Shiva Gallery
shivagallery.org/featured_item/the-right-to-silenc

artkenstudio@gmail.com
https://www.kenichinakajima.com
instagram.com/kenichi.nakajima




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