2021年7月23日号 Vol.402

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自らの好奇心やワクワクに忠実に

望月 美佐
Misa Mochizuki
ダンサー (International Dance Councilメンバー)

・出身:兵庫県

★5歳からバレエを始めたきっかけは?
家の近所にたまたまバレエスクールがあり、週1回で通い始めたのが最初です。運動神経は良かったですし、出来ると褒められるのが嬉しくて続けていました。

★プロになることを意識したのはいつ?
週1回だったレッスンが、先生の勧めで週2回になり、それが週4回になって…と、だんだん練習量が増えていきました。10歳の時、初めてコンペティションに出場してからソロの練習も始まり、ほぼ毎日のように踊る生活になりました。その頃から「将来の夢はバレリーナ」と言うようになりました。



★これまでで代表するパフォーマンスは?
2016年にAlbany Berkshire Balletの「Nutcracker」 で、初めてSugar Plum Fairyを踊ったのが嬉しかった。正直、まったく期待していなかったので、キャスティングされた時は、嬉しいというより不安の方が大きかったです。当日も、「とにかく最後まで止まらずに踊れたら上出来」と感じていて、楽しむ余裕もなく終わりました。ただ、終わった後の達成感はとても大きく、自信もつきました。今でも心に残っています。


★NYを活動の拠点に選んだ理由は?
高校2年生の時、Joffrey Ballet Schoolの8週間のサマースクールに参加するためニューヨークに来たのが最初でした。大学卒業後、Joffrey Ballet Schoolのビデオオーディションに合格したことから、ニューヨークに拠点を移しました。ヨーロッパにも興味はありましたが、私は身長が低いので、アメリカの方が需要があるのではないかと考えたことも、ニューヨークを選んだ理由のひとつです。

★ダンスの醍醐味とは
ダンスをよく知っている方なら、「ダンサーのテクニック」に目がいくかもしれませんが、実際の観客の中にはダンスをよく知らない方や子どもたちが大勢います。そういう方たちが観ているのは、雰囲気だったり、そのダンサー自身が放っている「エネルギー」だと思います。私は、踊ることで観客の皆さんにエネルギーを届け、皆さんからの反応を頂くことで、私もエネルギーを頂いています。そうやって「エネルギー」を循環させ、その場を良い空間にするのが、私のダンサーとしての楽しみです。

★競争を勝ち抜くため、アピールしたい点
以前は、「厳しい競争の中で勝ち残らないと踊ってはいけない」と思っていました。その頃の自分はきっと、自信がなかったんだと思います。今は誰かと比べて、自分が「上手いか、下手か」という視点では考えなくなりました。周囲に振り回されず自分の軸にしっかり立てたことで、踊りも自分自身も安定したように思います。向上心は持ちつつ、今の自分も受け入れ認めていくことで、これからも息長く、踊り続けていけるように思います。


★ダンサーとして目指すこと
特に今後の目標や人生計画みたいなものはありません。それを設定してしまうと、逆に自分の視野を狭めてしまうことになる気がするからです。すべての可能性に対してオープンで居続けたいし、自らに制限をかけたくありません。いつ、どんなチャンスがやってきても、飛び込んでいけるように準備をして、自分の好奇心やワクワクに忠実に、一日一日を丁寧に過ごすことを心がけています。

★今後の予定
10月9日(土)にJersey City Ballet Theaterのパフォーマンスに、その後は最近入団したAmerican Liberty Ballet のバレエ公演「ドラキュラ」(ニュージャージーとマンハッタンで複数回上演予定)に出演します。

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