[Who]インタビュー：西田衣見 (作曲家/ピアニスト)：ニューヨーク最新イベント情報【よみタイム】#Yomitime

2022年3月25日号 Vol.417
ジャンルレスの音楽家に西田衣見 EMI NISHIDA 作曲家/ピアニスト・出身：神奈川県 ★キャリアのはじまりいくつか習い事をしていましたが、続けていたのがピアノ。ヤマハ音楽教室では演奏と作曲のレッスンを取り、そこで何かを表現することの楽しさを学びました。また、映画好きの両親の影響で自宅で映画を観る機会が多く、気がついたときにはアクション映画にどっぷり。体を張って宙を跳び、舞踊のような動きで相手を倒していくカンフー系の映画が大好きで、同世代が若い俳優やアイドルの話をしている中、私はクラスメイトにジェット・リーの動きの凄さについて熱弁していたりして、たびたび相手を困らせていました。将来はアクション映画に関われないかと考えたのですが、私の運動神経ではスタントは厳しい（笑）。それなら、音楽方面から映画にアプローチできないかと思い、中学生の頃から映画音楽の作曲家になることを目指そうと考え始めました。 ★ボストンから世界と繋がるバークリー音楽大学を卒業し、今は主にバークリー音楽大学のピアニストとして働きながら作曲活動をしています。拠点はボストンですが、作曲はアメリカと日本の長短編映画が中心。コロナの影響で、以前より場所を問わず、NYやNJなどアメリカ東部の監督とオンラインでやりとりをしながら完成させた作品もあります。今年は日本の長編映画音楽を1本、完成予定です。バークリー学生時代、無声映画「笑う男」（1928年）に音楽を書くというプロジェクトでは、映画館で作品を上映しながら自分の曲を指揮を振って生演奏しました。コンサート音楽では、2021年、SixTONESさんのライブコンサート用に１曲書き、同年、オーケストラ用に書いた「Han-gover Square」が The American Prize の作曲部門(オーケストラ)で奨励賞を受賞。2018年頃からピアノ1台4手（連弾）の作曲も手がけていますが、坂本龍一さんのラジオで「Ganymede、the cupbearer」を流して頂いたこともあります。アニメ作品では、主にボストン在住の作曲家YUKI KANESAKAさんの楽曲制作の手伝いをしています。録音用の楽譜作成や、録音時の指揮を担当したり、アレンジの一部を手掛けたりしています。Dr. Stoneという作品や、間もなく情報公開予定の作品も進行中です。 ★デュオ「Streepz（ストリープス）」についてコロナ禍で外出が減り仕事量も少なくなったことで、日本の友人と電話をする機会が増えました。その中で、現在、女優として活動する大学時代の同級生と「リモートで一緒に音楽を書いてみようか」と意気投合をしたのが「Streepz」の始まりでした。彼女とは目指したい音楽の方向性が分かっていたこともあり、手探りながら、ひたすら楽しく曲を書く作業を進めました。2021年、友人はボーカリスト「Sah-Yah」、私はピアニスト「Emj」として活動するデュオ「Streepz」を正式に結成し、最初のシングル「ソリロクイ」をリリース。「夢カナYell Music Videoコンテスト」でUniversal Music賞を頂き、タワーレコードのプレイリストにも選出され、国内外の方々に自分たちの曲を聴いてもらえたということが何よりも嬉しいです。これまでに3つのシングルをリリースし、ショーへの楽曲も提供、オリジナルのMVも作成、今春には初のEPリリースを予定しています。「Streepz」としては、生パフォーマンスに重きを置いているので、コロナが落ち着いたら日米でライブも開催したいです。私たちの楽曲はR&B、Soul、Jazzにカテゴライズされることが多く、Justin Timberlake、Mayer Hawthorne、Tom Misch など、ビート感が強く、お洒落なサウンドを持つアーティストを参考にしたりしています。その一方で日頃、Sah-Yahも私もミュージカルやクラシックの楽曲を演奏することが多く、実のところ「Streepz」は、多種多様なジャンルの影響を受けています。それを「J-pop」という大きなジャンルとして落とし込めたい、という実験的なアプローチをとっています。 ★目指すものハリウッドで活躍中の作曲家、ルードウィグ・ゴランソン氏には良い意味でショックを受けました。映画音楽だけでなく、ジャンルを絞らない幅広い音楽の知識と目的ごとに全く違う作品を作り上げる柔軟性があり、私も「映画音楽作曲家」という肩書きにこだわらず、ジャンルレスな音楽家を目指したいです。何がチャンスに繋がるか分からない時代です。映画やコンサートの作曲、「Streepz」活動、連弾の作曲・演奏など、すべてに貪欲な姿勢で突き詰めていきたいと思っています。 ★今後の予定「Streepz」としては今までリリースした曲に数曲加えて2022年春ごろに初のEPを、またピアノ1台4手のプロジェクトも何曲か録音し、今年後半にEPをリリースしようと計画中です。 ●https://ja.eminishida.com ●https://www.streepz.net ●instagram.com/streepz.jp ●facebook.com/streepz Tweet HOME

2022年3月25日号 Vol.417

ジャンルレスの音楽家に

西田衣見
EMI NISHIDA
作曲家/ピアニスト

・出身：神奈川県

★キャリアのはじまり
いくつか習い事をしていましたが、続けていたのがピアノ。ヤマハ音楽教室では演奏と作曲のレッスンを取り、そこで何かを表現することの楽しさを学びました。また、映画好きの両親の影響で自宅で映画を観る機会が多く、気がついたときにはアクション映画にどっぷり。体を張って宙を跳び、舞踊のような動きで相手を倒していくカンフー系の映画が大好きで、同世代が若い俳優やアイドルの話をしている中、私はクラスメイトにジェット・リーの動きの凄さについて熱弁していたりして、たびたび相手を困らせていました。将来はアクション映画に関われないかと考えたのですが、私の運動神経ではスタントは厳しい（笑）。それなら、音楽方面から映画にアプローチできないかと思い、中学生の頃から映画音楽の作曲家になることを目指そうと考え始めました。

★ボストンから世界と繋がる
バークリー音楽大学を卒業し、今は主にバークリー音楽大学のピアニストとして働きながら作曲活動をしています。拠点はボストンですが、作曲はアメリカと日本の長短編映画が中心。コロナの影響で、以前より場所を問わず、NYやNJなどアメリカ東部の監督とオンラインでやりとりをしながら完成させた作品もあります。今年は日本の長編映画音楽を1本、完成予定です。バークリー学生時代、無声映画「笑う男」（1928年）に音楽を書くというプロジェクトでは、映画館で作品を上映しながら自分の曲を指揮を振って生演奏しました。コンサート音楽では、2021年、SixTONESさんのライブコンサート用に１曲書き、同年、オーケストラ用に書いた「Han-gover Square」が The American Prize の作曲部門(オーケストラ)で奨励賞を受賞。2018年頃からピアノ1台4手（連弾）の作曲も手がけていますが、坂本龍一さんのラジオで「Ganymede、the cupbearer」を流して頂いたこともあります。アニメ作品では、主にボストン在住の作曲家YUKI KANESAKAさんの楽曲制作の手伝いをしています。録音用の楽譜作成や、録音時の指揮を担当したり、アレンジの一部を手掛けたりしています。Dr. Stoneという作品や、間もなく情報公開予定の作品も進行中です。

★デュオ「Streepz（ストリープス）」について
コロナ禍で外出が減り仕事量も少なくなったことで、日本の友人と電話をする機会が増えました。その中で、現在、女優として活動する大学時代の同級生と「リモートで一緒に音楽を書いてみようか」と意気投合をしたのが「Streepz」の始まりでした。彼女とは目指したい音楽の方向性が分かっていたこともあり、手探りながら、ひたすら楽しく曲を書く作業を進めました。2021年、友人はボーカリスト「Sah-Yah」、私はピアニスト「Emj」として活動するデュオ「Streepz」を正式に結成し、最初のシングル「ソリロクイ」をリリース。「夢カナYell Music Videoコンテスト」でUniversal Music賞を頂き、タワーレコードのプレイリストにも選出され、国内外の方々に自分たちの曲を聴いてもらえたということが何よりも嬉しいです。これまでに3つのシングルをリリースし、ショーへの楽曲も提供、オリジナルのMVも作成、今春には初のEPリリースを予定しています。「Streepz」としては、生パフォーマンスに重きを置いているので、コロナが落ち着いたら日米でライブも開催したいです。私たちの楽曲はR&B、Soul、Jazzにカテゴライズされることが多く、Justin Timberlake、Mayer Hawthorne、Tom Misch など、ビート感が強く、お洒落なサウンドを持つアーティストを参考にしたりしています。その一方で日頃、Sah-Yahも私もミュージカルやクラシックの楽曲を演奏することが多く、実のところ「Streepz」は、多種多様なジャンルの影響を受けています。それを「J-pop」という大きなジャンルとして落とし込めたい、という実験的なアプローチをとっています。

★目指すもの
ハリウッドで活躍中の作曲家、ルードウィグ・ゴランソン氏には良い意味でショックを受けました。映画音楽だけでなく、ジャンルを絞らない幅広い音楽の知識と目的ごとに全く違う作品を作り上げる柔軟性があり、私も「映画音楽作曲家」という肩書きにこだわらず、ジャンルレスな音楽家を目指したいです。何がチャンスに繋がるか分からない時代です。映画やコンサートの作曲、「Streepz」活動、連弾の作曲・演奏など、すべてに貪欲な姿勢で突き詰めていきたいと思っています。

★今後の予定
「Streepz」としては今までリリースした曲に数曲加えて2022年春ごろに初のEPを、またピアノ1台4手のプロジェクトも何曲か録音し、今年後半にEPをリリースしようと計画中です。

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