2024年1月12日号 Vol.461

right
進化を助けるテクノロジー

小宮 慎之介
Shinnosuke Komiya
コンポメディア・アーティスト、
クリエイティブ・テクノロジスト

・出身:東京都

★人の進化を助けるテクノロジー
「どういった仕事ですか?」とよく聞かれます。急速に発展するテクノロジーと人間の関係を紐解き、テクノロジーが怖いものではなく、人の進化を助けるものであること、または正しい使い方をアートや研究を通して示す仕事だと考えています。現在は、知人たちと創業した会社「ユーカリヤ(Eukarya Inc.)」で、自社製品を海外で展開しながら、ニューヨークでアーティストとして制作活動・発表をしています。



★祖父は仏壇職人、両親は建築家
子どもの頃から手を動かすことは好きだったのですが、具体的に「何歳の頃から始めた」ということはなく、強いて言えば、いつも祖父や両親が何かを作り、楽しんでいる姿を見ていたことが影響しているのはないでしょうか。幼少期は自分のアイデアを練り、創作することに熱中していた記憶があります。世の中にないモノ、人に面白いと思ってもらえそうなモノ、自分が作っていて楽しいモノを作るのが好きで、「この世にはない体験やモノ」を考えていました。LEGOで存在しない生き物を作っては、壊していました(笑)。

★創作することの醍醐味
頭で想像しているものを動くようにする、すなわち「命を吹き込む」ことで、現実世界にそのイメージが具現化され、人が触れる「体験」にまで仕上げることが、創作する上での醍醐味だと思っています。今では、アートの文脈でも、仕事におけるプロダクト開発でも、「動く」という形で人々の生活に触れることが、社会全体を動かす力に発展すると考えています。

★NY留学から活動の拠点へ
NYUの先生のもとで研究したかったという点と、アート最前線の都市としてのニューヨークで、アーティストとしての実績を残していきたいと考え、ニューヨークを選びました。現在、大学院は修了し、通算3年ほど滞在しています。この街はやはり、アートが醸成される都市であり、世界中の人種、カルチャー、考えが集結、常に新たな価値観に晒され続ける場所であることが一番の魅力でしょうか。さらに、アートだけでなく、アカデミアやカルチャーの繋がりが、東京や他の都市よりも深く刺激的。今後もこの街で活動し続けていきたいと思っています。

★目指す未来
弊社「ユーカリヤ」では、Webのブラウザ上で誰でも2D/3Dの地図を用いてビジュアライゼーションや解析ができるオープンソースのプラットフォーム「Re:Earth」を開発しています。「Re:Earth」は日本の国交省に採用され、国のインフラとして各自治体の地理情報に詳しくない職員の方でも使えるツールとして活躍中です。

私の研究テーマは「人体拡張」。自身の作品を通し、より多くの人々が新しい概念やテクノロジーと出会った時に偏見や恐怖を持たず、常識を疑うようになってもらうことがゴールだと考えています。そういった体験を作品を通して、常にアウトプットできるアーティストを目指しています。

www.cham538.com
instagram.com/yamico_augmentation

Tweet
HOME