 ニューヨークデビューでは、ヴェートーベンにはじまり、モーツアルトで終わる。しかし、聞かせどころは、アメリカ作曲界の怪物といわれるエリオット・カーターの「デュオ・フォー・ヴァイオリン＆ピアノ」に挑戦する。カーターの曲といえば、リズミックモジュレーションを駆使し始めてから難易度の高いテクニックが必要なことで知られている。今回の曲にも不規則なテンポが入り乱れアーティスト泣かせの難解なものだ。
「ピアノが冷淡でヴァイオリンが情熱的、というようにバラバラに演奏しているようなんですが、きちんとかみ合っているんですよ」。ピアノはバビン・セレブヤーニさんで学生のころから一緒に演奏している仲間。
リサイタルの条件として日米の作曲家を選ぶ、とあったが、日本人作曲家は迷いもせず武満徹の曲を弾く。「彼の曲にはフランスの色があるんですね。切ないような」。
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ヴィオラ奏者として世界的に名を持つ川崎雅夫を父に持つ。77年ニューヨークで生まれる。６歳からヴァイオリンをはじめた。五嶋みどり、龍姉弟の母で、指導者の五嶋節の下で基礎を学んだ。
10歳で予科に入学を認められたジュリアード音楽院で、天才ヴァイオリニスを育てる名指導者として有名なドロシー・ディレイらに師事した。その後、ジュリアード音楽院では室内楽を主に学んだ。
これまでノーフォーク、タングルウッド音楽祭などにも出演したり、アラバマ州モンゴメリー交響楽団のコンサートマスターを務めた。特にシティーアイランドでは年30週も１時間の室内管弦楽演奏会を行っている。最近は１年のうち７か月は大阪センチュリーオーケストラのソロコンサートマスターとして活躍している。
「30から40人ほど入るサロンコンサートが弾きやすいですね。カジュアルな中で弾けますから」。今度のホールは約３００人が入る。「もし若ければプレッシャーがあるけど、もう29歳ですから」と笑う。
「最近、リサイタルとかコンサートをやるたびに上達しているのを感じるんですよ」。これからは「コンチェルトの機会を増やしていければ」と意欲を見せている。
（吉澤信政記者）
4月18日(水)7:30pm
カーネギーホール・ワイル・リサイタルホール
$45、$35、$25 (学生・シニア2割引)
予約・問い合わせ：212-247-7800
www.carnegiehall.org
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