2018年6月29日号 Vol.328



オバマ元大統領とメルケル首相へサーブ
「ウォルファー・エステート・ビンヤード」

ワイナリー外観

ブドウ畑
開放的なテラス(左)と、目前に広がるブドウ畑に感動

ワイン2種+ノンアル
(左から)スパークリング・ロゼ・サイダーグリーン・ジュース、ソーヴィニヨン・ブラン

つまみのチーズとハム
3種のおつまみセットは25ドル

ワイン貯蔵庫
入口横から見える醸造室

オススメ
ボタニカルな絵柄が美しい「サマー・イン・ア・ボトル」


「最近、ワインに凝ってるんです!」と、友人のM子。こんなところに「カモ」がいた。今までワイナリーを訪れてもぶらぶらと見学するだけでテイスティングもしない迷惑な客だったが、 明け方まで飲む強者が一緒となれば、心強い。さらに「遠出がしたい」と、K氏も参戦。早速、ロングアイランドへと向かった。
目的地は、ロングアイランドのサウスフォーク、サガポナックにある「ウォルファー・エステート・ビンヤード」。創始者は、ハンブルク(ドイツ)生まれのクリスチャン・ウォルファー氏。典型的なビジネスマンで、ベンチャーキャピタル、不動産、農業、エンターテイメントパークなどで財を成すが、心を奪われたのはワインの世界だった。「人々が楽しみ、思い出に残る場所」をつくろうと、1979年、この地にハイエンドの厩舎と乗馬施設「ウォルファー・エステート・ステーブルズ」を、 1988年に「ウォルファー・エステート・ビンヤード」を設立。現在は子どもたちが引き継ぎ、年間8万ケースのワインとハードサイダーを販売している。

建物は南ヨーロッパの田舎を連想させ、素朴であか抜けた印象。「この場所イイじゃないですか。ココで飲みましょう」とM子。予約無しで訪問したのだが、幸い、客もまばらだったため、フレンドリーなスタッフは「OK!」と、外の席へと案内してくれた。開放感に溢れる広々としたテラス、目の前に広がる一面のブドウ畑に、皆で感動!
テイスティングは「グランド・フライト」と、四季にあわせて内容が変わる「サマー(季節名)・フライト」の2コース(各25ドル)で、それぞれ4種のワインが楽しめる。M子はグラスでソーヴィニヨン・ブラン、K氏はミニボトルのスパークリング・ロゼ・サイダー、私はノンアルコールのグリーン・ジュースを、つまみ3種(25ドル)と共にオーダー。M子によれば、ソーヴィニヨン・ブランは軽くてスッキリ、ロゼ・サイダーは酸味が美味とのこと。ちなみにグリーン・ジュースは、甘くない上品なブドウ・ジュースだった。

1992年、「ウォルファー・エステート・ビンヤード」で最初のワインメーカーとなったのは、ドイツ出身のローマン・ロス氏。アメリカとドイツで学び、ワインメーカーとセラーの修士号を取得。ロングアイランド産ワインの向上と普及に尽力し、現在、ロングアイランド・ワイン・カウンシルの代表も務めている。ロス氏のプライベート・レーベル「The Grapes of Roth Merlot 2010」は、2015年のトップ100に、「Descencia Botrytis Riesling/Chardonnay 2015」は2016年のトップ100に選出。「Perle Chardonnay 2012」は、オバマ大統領(当時)とドイツのアンゲラ・メルケル首相のプライベート・ミーティングでサーブされるなど、評価は高い。

残念ながら下戸の私、その良さもわからないのだが、ボタニカルな絵柄が美しいワインボトルに一目惚れ。「サマー・イン・ア・ボトル」という詩的なネーミングにも惹かれ、衝動買い。パーティの予定があれば、お声がけを…。(芳沢レン)

Wolffer Estate Vineyard
139 Sagg Road,
Sagaponack, NY 11962
TEL:631-537-5106
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www.wolffer.com



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