2018年7月10日号 Vol.331

[第91回]
シートベルトを締めましょう


キャブに乗って、後部座席でシートベルトを締めるお客さんはどのくらいいるでしょうか? 去年の暮れか今年の初めか、正確な時期は忘れましたが、ニューヨーク市では16歳未満はキャブの後部座席でシートベルトを締めなければならないとの法律ができました。これは、イエローキャブに限らず、アプリ系を含めるカーサービスでも同じだと思います。
僕としては、16歳未満に限らずお客さんはみんな、後部座席でシートベルトをしてほしいなと思っています。何もなければそれでよし。でも何かあった時に、シートベルトはケガを防いでくれます。もしかしたら命を救ってくれるかもしれません。最近は乗った途端にスマホに向かい、乗車中の周辺環境に注意を払わないお客さんが多いので、運転手が止むを得ず急ブレーキを踏もうものなら、とっさに反応することもできません。
ただ、後部座席のシートベルトは締めにくいのも確か。自動車メーカーにはぜひ改善してもらいたい。さらには、アメリカはキャブの車検(インスペクション)がいい加減なので、故障したシートベルトが放置されていることもあります。
とにかく、シートベルトは何かと面倒臭いんです。僕なんかお客さんを逃したこともあります。16歳未満のシートベルト着用が義務付けられた後、乗せたお客さんが「このシートベルト壊れてる」と降りてしまったこともあるし、空港から乗せた成人客が、走り出してから「このシートベルト壊れてる」とウダウダと文句を言ってきたこともあります。
ちなみに後部座先のシートベルトは、間違ったバックルに入れると「カチッ」とハマりません。一つ一つがペアになっているんです。ところがどれが自分の席のものかわかりにくいので、空港から乗せたお客さんは、隣の座席のを自分のバックルに入れようとしてはまらず、壊れていると勘違いしたクチでした。
州によっても法律が違うので要注意。例えばニューヨーク市からコネティカット州に行く成人のお客さんは、最初からしっかりシートベルトをしてほしいなと。州境を超えたところで警察に止められ、お客さんがシートベルトをしていないと、罰金を食らうのは僕たちドライバーなので。
ちなみにキャブのドライバーは、今でこそシートベルト着用が義務付けられていますが、つい数年前まで「何度も乗り降りするから」という理由で着用義務がなかったんです。「運転席でシートベルトをするなんてチキン(臆病者)だ」みたいなメンタリティーの時代もありました。僕はそれでも着用していましたけど。(白石良一)



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