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よみタイムVol.122 2009年10月2日号掲載
 
ジャズピアニスト 及部 恭子

自分の経験生かした曲に
8日にキタノで記念ライブ

 ニューヨークを拠点に活躍するジャズ・ピアニストの及部恭子(およべ・きょうこ)がキタノ・ホテルで10月8日ライブを開催する。
 今回のライブは、自身のファースト・アルバム「キョーコ・オヨベ・トリオ・クッキング・アット・スモールズ」のリリースを記念して行われるもの。
 渡米4年目にして待望のアルバムをリリース。タイトルはあのマイルス・デイヴィスのアルバム「クッキング」からアイディアを得たという。ジャズ・ミュージシャンの間でスウィングした演奏を「クッキング」していると言うが、料理好きな及部をよく知る知人の助言で決まったそうだ。
 及部は19歳でジャズピアノを始める。ジャズクラブの他、病院、画廊など様々な場所で演奏し、戯曲作家、伝統楽器演奏者などとジャンルを超えたコラボレーションを展開しているころ、定期的に訪れていたジャズの本場ニューヨークで聴いたピアノ演奏がきっかけで渡米することを決めた。
 「衝撃を受けました。聴いたことのない音で。身震いする想いでした」と当時を回想する。そして「自分でもこんな音を出したい。ニューヨークに居なくては身に付かない」と思ったという。
 渡米後はジャズクラブ「スモールズ」に通いセッションにも参加。多くを学んだ彼女はスモールズを「学校」と呼ぶ。練習場所が無い時にはオーナーから「良い音楽を作れよ」と鍵まで預かったという。素朴でピュアーな彼女の性格が伺えるエピソードだ。
 「私の曲は自分の経験から生まれた想いが素になっています」という及部は、現在スモールズやその姉妹店のファット・キャットなどで演奏している。今回のアルバムもスモールズでのレコーディング。「ライブ感がしっかり入った音楽になっています。トリオの会話も面白いです」という自信作。最後に「人生はさまざまな事が起こりますが、感謝して受け止めたい。その中でクリエイトし続けていたいです。そしてより多くの人に聴いてもらえたら最高です」と語ってくれた。
 今回のライブだが、ドラムにC・バーバロー、ベースはM・オブライエン。アルバムメンバーによるトリオでの演奏。アルバム挿入曲の他、秋にちなんだスタンダードも予定している。
(ケーシー谷口)

◆及部恭子ライブ
10月8日(木)
午後8時と10時の2公演
The Kitano New York
66 Park Ave.
@E. 38th St.,
Jazz Reservations & Inquiries
Tel:212-885-7119
www.kitano.com
Jazz@Kitano.com
ミニマム・チャージ$15

◆及部恭子サイト
www.myspace.com/kyokooyobe