ニューヨークを拠点に活動する若手のトランペット奏者、黒田卓也が4月11日、ブルックリンのジャズクラブ「ローズ」で演奏する。ギター、ドラム、オルガン(キーボード)、テナーサックス、トロンボーンに、黒田のトランペットという、にぎやかで迫力ある音の競演になりそう。
「ジャズ、ファンク、ゴスペルに影響された、おもしろいスタイルのジャズです」と黒田。ベースがない分、オルガン奏者が左手でベース音を奏でるという。スタンダード曲と自作の曲を織り混ぜて披露する。
このバンドには他に日本人ミュージシャンが2人いる。ギターの本間浩之と、ドラムの菅野知明。今年の夏はこのメンバーで日本ツアーを企画。ニューヨークでのライブはその第一ステップだ。
黒田は、兵庫県芦屋市に生まれる。名門私学の甲南中高等学校時代の部活動でジャズに出会った。12歳の時である。「学校にはジャズのビッグバンド部がありました」。関西の学生ジャズフェスティバルで、高1〜3年を通して最優秀賞を獲得した優秀校だった。
高校2年生になると、仲間と一緒にスモールバンドを結成し、市内のジャズクラブのオーディションに参加したのがきっかけで、審査員にソロ奏者として実力を認められた。以来、いろいろなプロのバンドから呼ばれるようになり、高校3年生になると、神戸のジャズクラブで週1回演奏するまでになった。
甲南大学経済学部に進学した後も、関西のあらゆるジャズクラブで演奏するようになる。関西大震災後のチャリティーコンサートでは、渡辺貞夫とも共演した。
「大学時代に2か月ほどニューヨークに来て、ジャズクラブで生演奏を聞きまくりました。そのときから、ニューヨークでジャズミュージシャンとして活動したいと思い始めました」。
大学を卒業すると、ニュースクール大学ジャズ学部に留学。昨年春卒業以来、ニューヨークでトランペットを教えながら演奏活動に励んでいる。
「ゴスペル、ファンク、ジャズ、ヒップホップ、ラテンと、いろんなジャンルのバンドに属しています。全部で10バンドを掛け持ちしていますよ」と笑う。
色々なバンドに呼ばれて演奏していくことで、自分の中で新しい音楽を創っていくという作業は、これからも続けていきたいという。
しかし、最終目的はスタンダードのジャズをしっかり演奏できるトランペッターになること。そして「ジャズの良さをもう一度、生演奏によって聴く人に訴えていきたい」と話している。(香)
黒田卓也(トランペット)ジャズライブ
日時:4月11日(水)10:30pm、12:00am
場所:Rose
345 Grand St., Brooklyn
地下鉄L線ベッドフォードか、次のロリマー駅下車
問い合わせ:TEL: 718-599-0069
チップ制
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