モダンダンスの「第8回ダンボ・ダンス・フェスティバル」が9月26日(金)から28日(日)までの3日間、今やブルックリンのホットスポットとして脚光を浴びるダンボ地区(Dumbo
= Down Under The Manhattan Bridge Overpassの略)で開催される。
このダンス・フェスティバルは「ホワイト・ウエーブ・ダンスカンパニー」が主催するモダンダンスの祭典で、市内を中心に全米から7つのカンパニー、延べ400人のダンサーが参加する規模の大きなイベントでニューヨークで頑張る日本人ダンサーも3人が参加の予定だ。
窪田弥生さん(26歳)は、ニューヨークに来てまだ1年と日は浅いが、この4月に3つのダンスフェスティバルに自前の振付作品で応募して、見事3つとも審査をパスという快挙を成し遂げた。10月にも「ウェーブ・ライジング・フェスティバル」、さらに11月には大きなイベント「リバーブ・フェスティバル」(アルヴィン・エイリー・シアター)のソロ・パフォーマンスを控えている。年末までざっと5つの公演が続き、その合間にはハーレムでのゴスペル・コンペティションにグループで出演するなど目白押しだ。
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窪田さんは奈良市出身。高校時代に母親に連れられて見た劇団「四季」のキャッツに魅了される。「これだ!」と直感した。「私は舞台に立つべき人間」と自分で思い込んだ。「その気になると、小さいころから集中力は人一倍」という。「2番は頭の中に無いんです。これって思ったらもう絶対に妥協はありえません」とハスキーボイスで明るく笑う。
中学、高校、大学とすべて第一志望校に進んだ。すでに強運の持ち主の片鱗が輝いている。京都橘女子高校では全国トップレベルを誇る吹奏楽部に所属、クラリネットを吹いてアトランタ・オリンピックにもメンバーとともに参加している。東京芸大で声楽を学んだ母親から「チャンスがあれば何でもやりなさい」といつもいわれていた。
大阪芸大に進んだ理由も劇団「四季」に卒業生が多いと聞いたから。大学では舞台芸術学科ミュージカルコースを専攻。芝居のほか、歌はクラシック、踊りもバレエを基礎とした訓練をみっちり受け、タップやヒップホップなどにも守備範囲を広げた。在学中から各種オーディションを難なくクリア、「サザンオールスターズ」「スガシカオ」などのバックダンサーとしてツアーに参加、武道館や横浜アリーナなどで場数を踏んだ。
シアターダンスやジャズダンスを始めたのは19歳。持って生まれたセンスとガッツ、そして運の強さは、ニューヨークに来ても変わらず、すぐにオフ・ブロードウエイの「ロック・オブ・エイジ」のオーディションに合格。今はモダンダンサーとして3つのダンスカンパニーに所属しているが「今は自分の作品作りに集中したいので、そっちは年内はお休みですね」と気迫のある目力で微笑む。舞台では踊りに加えて歌も入れる予定だ。
「でも私のゴールはやっぱりブロードウエー。あと2年で舞台に必ず立ちます」と断言する。言葉にするたびに実現してきた弥生さんの高らかな「宣言」、滞在年数などに関係ない確かな勢いを感じさせる。
(塩田眞実記者)
窪田弥生の主なダンスパフォーマンス
Dumbo Dance Festival
9月26日(金)7:00pm、
27日(土)9:00pm
@White Wave Theater
25 Jay St. Brooklyn NYC
www.whitewavedance.com
Wave Rising Festival
10月29日(水)31日(金)7:30pm
11月1日(土)4:00pm
11月2日(日)7:30pm
@White Wave Theater
25 Jay St. Brooklyn NYC
www.whitewavedance.com
Reverbe Festival
11月14日(金)15日(土)
@Alvin Aily Theater
405 West 55th St. NYC
www.reverbfestival.org
Ko-Ryo Dance Theater
11月8日(土)
@Merce Cunninghum Theater
55 Bethune St. NYC
www.merce.org
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