2024年4月12日号 Vol.467 | |
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文:国際ジャーナリスト 内田 忠男 [Detail, 96] バックナンバーはこちら 冷戦後の新たな対立地図
アメリカがアルカイダの同時テロ攻撃を受けた2001年9月11日、大統領就任から8ヵ月のジョージ・W・ブッシュはフロリダにいた。選挙で公約した「どの子も置き去りにしない」教育改革策の一環で、公立小学校の朗読会を参観していたのである。首席補佐官から2機目のUA機が世界貿易センター=WTCに突入したと耳打ちされた後も、ブッシュは7分間、朗読を聞いてから控え室に戻った。「戦時の大統領となり、重大な責任を負うことになる」――立ち上がって専用機のいる飛行場に向かった。 |