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 よみタイムについて
 
 
よみタイムVol.119 2009年8月21日号掲載
陶芸家 ゲイル・ミッチェル

陶芸は自分の情熱
第二の人生迷いなし

 

 ロクロを廻して作るよりも手で成形する作品よりも手ひねりの作品に愛着を感じるという。
 最初は、荒削りでサイズの割には手に取ると重い、肉厚な作品が多かった。それでも楽しくて仕方がなかった、という。
 80年代初め、夫の病気に続き、高齢化した両親の病気と世話。さらに、エイズの友人たちのケアで駆けずり回ったり、高齢者をサポートするNPO法人エンパワリング&ケアギバーを立ち上げ、全米ネットワークをフルに使って活発に活動する毎日が続いていた。
 だが「心身ともに疲れ果てていた」と話す。そんな時、コネチカット州に住むアーチストの友人に勧められて陶芸を始めた。 
 「私には偶然とは思えないんです」という。陶芸への懲りようは半端ではなかった。「Never Too Late」という言葉もあるが、まるで何かに魅せられたように陶芸の世界に引きずり込まれていった。「陶芸に出会わなかった長い時間を取り戻すように」。
 一度火がついた陶芸魂は燃え盛る一方で、釉薬や粘土にも凝るようになりパブリックの窯では飽き足らなくなる。
 自分の窯でないと自分の作品に適したベストの温度管理がまったく他人まかせになってしまうためだ。美術館、博物館、などの陶芸展にもまめに足を運んだ。
 特に06年にジャパンソサエティが主催した「現代日本陶芸展」には度肝を抜かれる。もともと信楽焼には強い興味を持っていたが、日本で勉強したいという思いがさらにつのり、信楽の里の外国人陶芸家受け入れプログラムに応募するが、返事はない。いろいろ考えた末、陶芸修行に一層専念するために仕事も止めて、メキシコのサン・ミゲルに2年間の予定で移住する決意を固めた。
 ここはアメリカ人を中心に外国人が多く住む居住区で日本人も多いという。陶芸窯も2箇所あって愛好家が多く、気候温暖で物価も安く、喘息持ちのゲイルさんには理想郷のような土地である。しかし、あくまでも本人の目標は信楽での修行。
 メキシコ移住計画は、日本での陶芸生活を確立して日本中を旅行するためのステップだと考えている。
 「陶芸は人生を取り戻して自分の精神世界と向き合うコネクション」という。初めて粘土に触れた瞬間から、精神が高揚した。「陶芸は自分の情熱やインスピレーションを表現する手段であり、私の人生の旅の次章を暗示してくれる」。
 新しい粘土素材に出会うと、ますます陶芸の魅力が増す。「いい作品を見ればエネルギーを感じ、自分の作品からも感じてもらえる。これはもう世界語なんですね」。陶芸と出会う前までの仕事だったケア・サポートの専門家は、今は自分に向けて、第二の人生の一歩を歩み始めた。 (塩田眞実記者)

ゲイルさんのウェブサイト:http://www.gailrmitchell.com