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Vol.206:2013年5月17日号
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 よみタイムについて
河野洋: 名古屋市生まれ。12歳でロックに目覚め、ギター、バンド活動を始める。89年米国横断、欧州縦断のひとり旅の後、92年NYに移住。03年ソロアルバムのリリースと同時にレコード会社、Mar Creation, Inc.を設立。現在は会社では、アーティストマネジメント、PR、音楽、映像制作などエンターテイメントに関連するサービスを提供するかたわら、「NY Japan CineFest」「j-Summit New York」などのイベントをプロデュース。その他にも、エイズ、3.11震災後の日本復興に関わるチャリティイベントや、平和、社会、環境問題などをテーマにしたプロジェクトにも積極的に取組んでいる。
ウェブサイト : www.marcreation.com / メール: contact@marcreation.com
「オンガク喫茶」のこぼれ話はブログ「ゼロからのレコードレーベル」

よみタイムVol.206 2013年5月17日発行号

進化し続ける優しい歌声
シンガーソングライター
デビッド・ブローザ



読者プレゼント
A:ライブご招待(1組2名)

5月20日のCity Wineryでのライブへ(バー席)ご招待。お名前と連絡先を明記の上、「ライブ招待希望」と書いてEメールでご応募ください。
■宛先:ticket@yomitime.com
■締切:2013年5月18日(土)まで

B: CD「Safa Shlishit」(2名)

デビッドの最新アルバム「Safa Shlishit (Third Language)」(ヘブライ語)をプレゼント。お名前・ご住所・連絡先を明記の上、「CD希望」と書いてEメールでご応募を。
■宛先:ticket@yomitime.com
■締切:2013年6月1日(土)まで

 3度、デビューをした男、とでも言えばいいのだろうか。
 イスラエル、ハイファに生まれたデビッド・ブローザは、12歳でスペインに移住。6年後に母国に戻り、1977年にロックグループでプロデビューし、1979年にシンガーソングライターとしてのソロキャリアをスタートさせる。歌詞は全てヘブライ語だった。
 1983年に発表した3枚目のソロアルバムでは、現在でも打ち破られることのない、イスラエルで最も売れたレコードとしての金字塔を打ち立てたのである。

 スターになったデビッドの野望は続く。成功に満足することなく世界に目を向けると、音楽への興味心に駆り立てられるままにアメリカという新世界に足を踏み入れる。そこで、ブルース、ロック、フォークの洗礼を受け、1989年に2度目のデビューとも言える全曲英詞のアルバム「 Away From Home」をリリース。アルバムは音楽チャートでもトップ10にランキングされ、米国でもスターの座を手に入れた。

 しかし、ここでも音楽への野心は更に燃え上がり、少年時代を過ごしたスペインに2000年に移り、スペイン語の歌詞で3枚のアルバムをリリースした。彼が3カ国語で歌詞を書くのは、もちろんトライリンガルであることだが、もう一つの理由がある。
 「俺がインスパイアされる音楽はジミ・ヘンドリックス、ジョニ・ミッチェル、ボブ・ディランだが、歌詞は英語だ。音楽は万国共通のものだろ。ヘブライ語だけで歌い続けていたら限界があった。英語というコミュニケーションツールを使うことで、より沢山のオーディエンスと?がることができると思ったのさ」
 ドアは開かれるものではなく、開くもの、つまりデビッドの前向きな姿勢が、これまでの数々の成功をもたらしたと言えるのだろう。そんな彼の音楽はレナード・コーエン、ブルース・スプリングスティーン、ジャクソン・ブラウンなどが引き合いに出される。

 順風満帆な人生に聞こえるが、実は元々の夢は音楽家ではなく、画家になることだった。画家になる為に小遣い稼ぎに始めたカフェでの演奏活動が転じて、天命とも言えるシンガーソングライターになった。
 「いつかは画家になるかもしれない。でも今は音楽で手が一杯さ。今のようにツアーで飛び回る生活じゃ絵は描けない」
 どんなことに対しても真っ向から立ち向かえば決して人生は嘘をつかない。自信に満ち溢れたデビッドには強い者だけが持つ優しさがある。
 「俺は限界を押し広げる奴らに興味を持つね。中間に立つどっちつかずの奴らには興味がない。最前線から退けば、すぐに新しい奴らが現れる。俺は誰も見かけで判断しないし、決して恐れることもない。相手の目を見ればわかる。目を背けるから恐怖心が増すのさ」

 イスラエル人と音楽と言ってもピンと来ない人が多いかもしれないが、デビッドが推薦する世界で活躍中のアーティストたちを紹介しよう。ジャズ界で既に名を轟かせているユヴァル(サックス)、アナト(クラリネット/サックス)、アヴィシャイ(トランペット)のコーエン3兄弟は文句なしに素晴らしいし、ここニューヨークの老舗ビターエンドで定期出演し、デビッドが「ばかげたくらい活かしている」というオズ・ノイ(ギター)、そして、NYのアングラシーンで活躍するミクスチャー・ロックの雄バルコン・ビート・ボックス…他にも挙げればきりがない。
 「これまで音楽的国交が少ないイスラエルと日本を盛んにする時期が来たんじゃないかな?」と言う彼は日本への進出にも興味津々だ。
 その日本に向けての第一歩にも成り得る今回のコンサート。デビッドからよみタイム読者にメッセージをもらった。
 「まずはライブに来て俺の音楽を聞いてほしい。日本人の反応を是非見てみたいよ。そしてイスラエルと日本の親交を、ここニューヨークから始めよう」
 今回はヘブライ語を中心に、スペイン語、英語と3カ国語で歌うデビットのオリジナル曲が2時間たっぷりと楽しめる。
 会場は彼自身がニューヨークで一番のお気に入りと言うシティ・ワイナリーだ。
 「ワインも食べ物も旨いし、出演者も観客も気分良く楽しめるクールな会場だよ」とデビッド。
 ダンディという言葉がとても似合うイスラエルの星、デビッド・ブローザ。36年のキャリアを持ちながらも今なお進化し続ける彼の優しい歌声と、平和な心に根ざした音楽を是非とも体験し、イスラエル人アーティストに触れてほしい。
(河野洋)

David Broza
■5月20日(月)
 開場6:00pm、開演8:00pm
■会場:City Winery
 155 Varick Street
 Tel: 212-608-0555
■入場料
 VIP/Premier:$50
 Reserved:$45
 Bar Stool:$35
www.citywinery.com

●関連サイト:David Broza
www.davidbroza.net