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 河野洋： 名古屋市生まれ。12歳でロックに目覚め、ギター、バンド活動を始める。89年米国横断、欧州縦断のひとり旅の後、92年ＮＹに移住。03年ソロアルバムのリリースと同時にレコード会社、Mar Creation, Inc.を設立。現在は会社では、アーティストマネジメント、ＰＲ、音楽、映像制作などエンターテイメントに関連するサービスを提供するかたわら、「NY Japan CineFest」「j-Summit New York」などのイベントをプロデュース。その他にも、エイズ、3.11震災後の日本復興に関わるチャリティイベントや、平和、社会、環境問題などをテーマにしたプロジェクトにも積極的に取組んでいる。
ウェブサイト : www.marcreation.com / メール: contact@marcreation.com
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よみタイムVol.235 2014年8月1日発行号
日本人の音楽はアメリカでイケてるか!?
初音ミク、Perfume、モー娘
今秋、NYライブ開催
Ill. by apapico (C) CFM |
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今年、ONE OK ROCK（オルタナティブロック）、冴木杏奈（タンゴ）、きゃりーぱみゅぱみゅ（ポップ）、アリス＝紗良・オット（クラシック）、ジェロ（演歌）、Man With A Mission（ミクスチャー）、渡辺貞夫（ジャズ）など、日本人アーティストたちが、ニューヨークで次々にコンサートを開催した。
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日本人の音楽家の米国進出は今に始まったわけではない。１９５０年代にはジャズ・ピアニストの秋吉敏子が、１９６０年代には坂本九の「上を向いて歩こう」がビルボードで１位を獲得。オノ・ヨーコはジョン・レノンと出逢う前から実験音楽を、クラシックでは指揮者の小澤征爾が活発に活動をした。
１９７０年代にはアイドルのピンクレディ、80年代には、ロックシンガーの矢沢永吉、シンセサイザーの喜多郎、クラシック・ヴァイオリニストの五嶋みどり、ヘヴィメタルのラウドネスが全米デビューを果たしている。インディーズでは、パンクの少年ナイフがアルバムをリリースし、今でも精力的に全米ツアーを行っている。
現在、ニューヨークを拠点に活動する著名音楽家には坂本龍一、矢野顕子、チボ・マット、大江千里、上原ひろみ等がいて、日本の古典音楽に置いては、箏の石榑雅代や篠笛の渡辺薫が精力的に活動しており、近年では、津軽三味線の吉田兄弟や上妻宏光、雅楽奏者の東儀秀樹もコンサートを行った。
日本の古典楽器の音楽は米国では余り知られていないが、日本の独特の文化性、日本人の精神性を伝える音楽としては、他に類を見ないものである為、地道な活動が必要とされるものの、将来性は高い。また、異ジャンルとのコラボレーションにおいて柔軟性があるが故、マーケティング次第では、ファンも増えて行くだろう。
同様の視点から見ると、今後の活躍が期待されるのが、日本のポップカルチャー、サブカルチャー、ファッション、アイドル性が緻密な計算の上に織り込まれた音楽だ。その代表格とも言える、きゃりーぱみゅぱみゅのアメリカでの人気は、爆発的とまでは行かないが、充分にそれを証明している。去る３月のニューヨーク公演では、２０００人を越える会場を日本人以外のファンが埋め尽くした。
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そして、この秋、日本からモーニング娘。'14（アイドル）、初音ミク＝写真＝（ボーカロイド）、Perfume（テクノポップ）がやってくる。中でも、日本では一番カラオケで歌われるというボカロのジャンルを確立する先駆けとなった初音ミクは興味深い。
ボーカロイドは、ヤマハが開発したソフトウェアで、音符と歌詞をパソコンで入力すれば、ヴァーチュアル・シンガーがクリエイターに代わって歌ってくれる。つまり生身のシンガーの声をデータ化して用いているものの、実際に完成した作品を歌うのは人間ではない。そこにキャラクター性を加えたものが初音ミクだが、ミク以外にも無数のボカロ・キャラクターが存在している。
実際のステージでは、透明なディラッド・スクリーンに「歌って踊る」キャラクターがプロジェクションされる。つまりオーディエンスはヴァーチュアル・キャラクターに熱狂するのだ。そのバックではライブ・ミュージシャンが演奏し、ダンサーが踊り、ショーを盛り上げる。今年、レディ・ガガは初音ミクを前座に起用した。
ロックバンド、シャ乱Ｑのリーダーつんく♂がプロデュースしたモー娘ことモーニング娘（現在名：モーニング娘。'14）は、１９９７年にデビューしたアイドル・ダンスボーカル・グループ。メンバーが不定期で変更していく為、モー娘のブランド力が続く限り永遠に解散することない。また、総合コンセプトがはっきりとしていて、全員が基本的に同じ衣装で合唱するが故、一人一人の外観や声の個性は求められないというのが特徴だろう。
２０００年に結成されたテクノポップの女性トリオユニット、Perfumeは、きゃりーぱみゅぱみゅも手がけるCAPSULEの中田ヤスタカがプロデュース。テクノの無機的なビートにポップなサウンドが絡み、エフェクトされた透明感溢れる３人のボーカル。一環した個性を活かしたイメージは、AKB48やモー娘などのアイドル路線とは一線を画してアーティスト性は高い。ユニークなダンスも特徴。
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こうした日本の音楽アーティストたちが、今後、アメリカ、世界でどんな展開を見せて行くのか？
イメージも音楽も完璧にプロデュースされた感が強く、日本というお国柄が良く出ているかの如く、出る杭は打たれるが故のグループ指向で、没個性を逆手に取ったトータルコンセプトが生き残る方法なのか。それを確かめる為にも今秋の一連のコンサートは非常に興味深い。
（河野洋）
モーニング娘
■10月5日(日)4pm
■会場：Best Buy Theater
1515 Broadway
Tel: 212-930-1950
■$42ドル～$45
■年齢制限：16歳以上
■www.bestbuytheater.com
初音ミク
■10月17日(金)8:30pm
■10月18日(土)6:30pm
■会場：Manhattan Center
Hammerstein Ballroom
311 W. 34th St.
Tel: 212-279-7740
■$65～
■www.mcstudios.com
Perfume
■11月15日(日)8:00pm
■会場：Manhattan Center
Hammerstein Ballroom
311 W. 34th St.
Tel: 212-279-7740
■$35、$45
■www.mcstudios.com |
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